経済産業省(経済産業局)における
NPO等への支援・連携等の推進に関する調査
報告書要旨 |
平成14年3月
東北のNPOの中でも、比較的組織化・事業化が進展していると考えられる特定非営利活動法人(NPO法人)に対してアンケート調査を実施した。
●活動分野
団体の主たる活動分野は、「福祉・医療」が47%を占める。続いて「まちづくり・災害」13%、「環境」12%、「子ども・教育」9%などが続く。
●団体の総収入
団体の総収入分布は、大きく2グループに分かれた。1百万円〜5百万円を中心とする層(以下Aグループ)と、1千万円〜5千万円を中心とする層(以下Bグループ)の2つである。
●団体の収入構成
上記Aグループに属する団体では、「会費・寄付金」が収入の大きな割合を占めているのに対し、Bグループに属する団体では、「事業収入」の割合が大きく、収入構成に大きな差が見られた。また、A、B両グループの中間の、年間総収入5百万円〜1千万円の層では、「行政からの補助金」「民間の助成金」が比較的収入の大きな割合を占めた。
(参考)本報告書で用いるNPOの定義
NPO法人や市民活動団体(任意団体)などの団体で、下記6要素を満たす団体。
1.人々の自発的意思を根拠にする(自発性)
2.何らかの社会的公共的目的をもつ(不特定多数のものの利益を目的とする)
3.営利を目的としない(非営利性)
4.自立的意思決定が行われている(独立性)
5.政府の支配下にない(民間性)
6.組織性をもち継続的活動をする(組織性継続性)
●団体のスタッフ構成
上記Aグループに属する団体では、無給(ボランティア)スタッフによる運営が中心となっているのに対し、Bグループに属する団体では、有給スタッフ、特に、専従の有給スタッフによる運営が目立つ。
団体の総収入によって、NPOは大きく2つのグループ
「会費・寄付金型」「事業型」に分かれる |
NPOが必要とする支援について、そのニーズの把握を行うために、アンケートでは、各団体が必要とする経営資源について聞いた。
●団体の支援ニーズの傾向
(1)全体的に「団体の運営を担うスタッフ」および「資金調達」へのニーズが高い。
(2)「団体の運営を担うスタッフ」のニーズは、特に総収入1百万円〜5百万円の層で高い。
(3)団体の総収入が大きくなるほど「資金調達」のニーズが相対的に小さくなる。
(4)総収入5千万円超の層では、税制優遇や、融資制度など資金調達を支える社会システムへのニーズが発生する。
(5)総収入が5百万円超で、団体のマネジメントについてのニーズが増加する。
(6)その他ニーズとして「スタッフの研修・技能向上」「事業の充実」などがある。
団体の総収入規模によって、必要とする支援が異なる

どの層を対象とするかによって、支援の方向性が異なる
(施策によって支援対象を明確にする必要性がある) |
| 3.経済主体・事業主体としてのNPOの可能性と課題 |
NPO法人向けアンケートの結果や、NPO25団体へのヒアリング調査の結果から、地域コミュニティの経済主体・事業主体としてのNPOの可能性や抱える課題について整理した。
●経済主体・事業主体としてのNPOの可能性
NPOが地域で展開する事業について、以下のような特徴・可能性が見られた。
(1)地域資源・地域課題(ニーズ)に密着した事業の展開
(2)活動のミッション性・先進性、政策提言主体としての役割
(3)地域経済・地域雇用への寄与、新しい職場としての可能性
(4)地域活性化・新規起業促進のプラットホームとしての役割
(5)企業とNPOの連携による地域活性化の可能性
●NPOの事業モデル
NPOの提供するサービスは、利用者(消費者)側から必ずしも対価を取ることはできない。そのため、NPOの行う事業には、多くの場合「支援者」という第2の顧客が必要になる。このような基盤の上で、多くのNPOが地域コミュニティのニーズに直結した事業を展開している。

図S−2 地域に根ざしたNPOの事業展開モデル
地域に根ざした経済主体・事業主体としてNPOには大きな可能性が
あり、経済産業省として支援対象とすることは大きな意義がある |
●一方でNPOは大きな課題も抱える
(1)NPOの活動を支える社会基盤の整備不足
(2)NPOの経営資源(マネジメント、人材、ノウハウ、資金など)の不足
以上の分析から、必要とされるNPO支援・連携施策として、以下のようなことが挙げられる。
●NPOを支える社会基盤の整備
NPOが活動しやすい社会環境の整備として、法制度・税制度の改正、規制緩和(既存の公共政策へのNPOの参入可能性の拡大など)などの施策が必要である。
またNPOへの連携施策をより拡大・促進するために、NPOへの理解を促進するための行政職員向け研修などの施策展開が必要である。
●NPOへの経営資源提供
現状ではまだ不足しているNPOの経営資源について、その効果等を勘案しながら、支援施策を展開することが必要である。
○人材・マネジメント支援
・NPO支援に関わる人材の育成
・NPOスタッフの育成
・経営相談、コンサルティング
・人材交流、流動化の促進
○資金支援
・融資制度の創設
・税制支援の拡充
・補助金・助成金制度の検討
・民間によるNPO基金・コミュニティ財団の設立支援
・NPOと連携して新ビジネスに乗り出す企業への支援
○場所・機会提供
・事務所スペース等場所の提供
・イベント、交流の機会提供
○「(仮称)NPO・コミュニティビジネス支援センター」の設置
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【お問い合わせ先】東北経済産業局 企画・情報システム室
TEL 022−263−1111(内線5541) |