「東北地域における6次産業の振興に関する調査研究」概要

  


 

 調査研究の目的及び手法

東北地域は豊富な農林水産資源を背景に他地域より第1次産業の経済に占めるウェイトが高い。一方、東北地域の1次産品は域内で高い付加価値がつけられないまま域外移出されているとみられるため、食品関連製造業の活性化は東北地域経済の活性化に重要である。

 東北地域の食品関連製造業の活性化を図るには、消費者ニーズに対して価格面よりも非価格面の要因に訴求することが重要であり、第1次産業(生産)、第2次産業(製造・加工)、第3次産業(販売・関連サービス)の情報の相互交流による連携強化によって新たな付加価値を生み出す6次産業化が重要である。

 今次調査では、6次産業の定義を「東北地域の第2次産業(製造・加工)事業者が、東北地域の1次産品を活用するために第1次産業(生産)、第3次産業(販売・サービス)の各事業者と密接な連携を行うことで、消費者に対して的確に商品情報を伝達し、又、消費者情報をフィードバックすることで新商品開発に繋げる等により新たな付加価値を創出する産業形態」として調査を実施した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


T 東北地域の1次産品活用型産業の現況及び課題

(1)東北地域の第1次産業について

 東北地域の第1次産業は、農業、林業、水産業の就業者数、生産額を全国の他地域と比較してみると、いずれの業種においても地域の全産業に占める第1次産業のウェイトが高く、重要な位置付けにある。   
 なお、第1次産業の業種別に純輸移出額をみると、輸移出超過となっているのは農業のみとなっている。域外に移出されているとみられる生産上位品目は主に生食用として移出されていると言われている。 

(2)東北地域の1次産品活用型産業の現況及び課題
 −食品関連製造業を中心として−

 東北地域の食品関連製造業は、各指標からみて東北地域製造業の中において重要な位置付けにある。ただし、東北地域の食品関連製造業の経営指標からその特徴的経営課題をみると、①高い労働集約度、②低い市場競争力、③小さなマーケットシェアの3点を挙げることができる。東北地域の食品関連製造業を活性化するには、事業環境(消費者動向)の変化、「安いもの」だけではなく価値観の多様化からあらゆるニーズが求められていることを踏まえて経営課題を克服する必要がある。

 東北地域の食品関連製造業に対するアンケート調査の結果からも、東北地域の食品関連製造業の事業振興のポイントは、「こだわり」、「安全・衛生面」、「健康志向」、「地域性」が重視され、消費者への訴求ポイントを非価格・コスト要因に据えて事業振興を図るべきと考えている。そのための手法として川下(第3次産業:販売)と川上(第1次産業:生産)の情報の相互交流による連携強化の重要性が認識されている。

 (3)東北地域の食品関連製造業の6次産業化による振興

 東北地域の食品関連製造業の振興方策としては、従来のような商取引としての商品と代金の交換だけの第1次(生産)、第2次(製造・加工)、第3次(販売)の繋がりではなく、第1次(生産)、第2次(製造・加工)、第3次(販売)の密接かつ一貫した情報の相互交流、いわゆる産業の融合化、6次産業化による新たな付加価値の創出が必要である。

 

U 6次産業の現状


<1次産品のこだわり、本物志向の事例>
 
●地域の生産者と連携して1次産品にこだわった商品を製造し、直営店で消費者に的確な商品情報を
  伝達し、そのことにより自社商品ブランドの向上を図っている。また、直営店を通して消費者ニーズを商
  品開発にフィードバックする等、6次産業化による経営効果を上げている事例。

【事例1】岩手阿部製粉(株)    (岩手県)
【事例2】(株)セゾンファクトリー  (山形県)
【事例8】(株)西利           (京都府)
【事例9】佐藤水産(株)       (北海道)

<観光との連携の事例>
 ●地域1次産品にこだわった商品開発を行い、関連サービス産業である観光産業と連携することで、消
 費者に生産・加工現場の公開や体験観光等を通じて消費者の商品に対する信頼感の醸成に繋げ、か
 つ観光サービス収入を得ること等で6次産業化による経営効果を上げている事例。

【事例3】葛巻町:(社)葛巻町畜産開発公社、葛巻高原食品加工(株) (岩手県)
【事例4】板柳町:板柳町ふるさとセンター(青森県)
【事例5】川井村:(社)川井村産業開発公社(岩手県)
【事例10】船方農場グループ       (山口県)
【事例11】小布施町:6次産業センター  (長野県)

<1次産品の新機能、未利用資源活用の事例>
 
●地域1次産品の新機能、未利用資源を関連サービス産業である研究開発事業との連携、つま 
  り、 産 学 連携を行うことで効果を発揮させ、6次産業化による経営効果を上げている事例。
【事例6】(株)チャフローズコーポレーション(本社:神奈川県、工場:青森県)
【事例7】パウダーテクノコーポレーション(有)(山形県)
【事例12】(株)北海道バイオインダストリー   (北海道)
 

V 東北地域の6次産業振興策について

(1)6次産業化の経営効果と地域経済への影響
 
6次産業化の経営効果としては、以下の2点を挙げることができる。

①産業間の連携強化による経営情報の明確な伝達・収集については、原材料調達面では消費者への訴求力を高める生産方法を1次産品生産者と連携して行い、販売面では消費者に対して的確に商品情報を伝達し、競合製品との差別化を図ることが可能となる。また、商品開発面においても消費者情報を迅速かつ的確にフィードバックすることが可能となる。

 ②既存経営資源の活用による事業拡大としては、1次産品ブランドや地域ブランドの活用によって競合製品との差別化を図り、事業拡大に繋げている。また、サービス関連事業、特に教育サービス産業(体験学習、工場視察等)、研究開発サービス産業(産学連携)、観光産業(体験観光、産業観光等)、飲食サービス産業(レストラン事業)は既存経営資源の活用によって十分連携が成立する産業であり、また、これらの産業との連携によって既存事業の拡大と新規事業への展開に繋がる。

(2)6次産業化の経営効果を踏まえた、東北地域の6次産業の振興策

     第1次産業との連携強化
事業者間のマッチングを強化するための交流の場の設定、コーディネーター制度、事業者登録制度、1次産品特性に伴うリスクヘッジとしては天候デリバティブ活用、リスク負担資本の強化。

     第3次産業との連携強化
直接販売として経営指導、出店コストの軽減支援、IT活用、アソートメント機能補完として商品開発支援、百貨店等への出店支援、広告宣伝費の資金支援。

     地域ブランドの活用
地域一体、つまり官民及び業種横断的な取り組み

     関連サービス産業との連携
PRや受入施設の整備支援(各関係機関の既存施策の充実ときめ細かい対応) 

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この調査は、平成15年度に(財)産業研究所が実施した「東北地域における6次産業の振興に関する調査研究」の概要を掲載したものです。当調査研究の報告書を御希望の方は下記まで御連絡ください。

 【お問い合わせ先】

   東北経済産業局 企画・情報システム室  TEL 022-263-1111(内線5541〜5542)
                                                                 TEL  022-263-1154(直通)

 

             東北地域の6次産業マップ                          

平成15年度「東北地域における6次産業の振興に関する調査研究」<(財)産業研究所>における、6次産業の定義を基に東北経済産業局企画課で東北管内の事例を調査し、各県の地図を作成した ものです。 (平成16年5月現在)

 【上記調査による6次産業の定義】

 「東北地域の第2次産業(製造・加工)事業者が、東北地域の1次産品を活用するために第1次 産業(生産)、第3次産業(販売・サービス)の各事業者と密接な連携を行うことで、消費者に対して的確に商品情報を伝達し、又、消費者情報をフィードバックすることで新商品開発に繋げる等により新たな付加価値を創出する産業形態」

データの収集は、インターネット等による。

 

             東北6県マップ(PDF形式)                          

            青森県(46KB)   岩手県(52KB)   宮城県(50KB)  

           秋田県(48KB)   山形県(46KB)   福島県(52KB)

 ※お気づきの点がございましたら下記あてご連絡ください。

【お問い合わせ先】

   東北経済産業局 企画・情報システム室  TEL 022-263-1111(内線5541〜5542)
                                                                 TEL 022-263-1154(直通)


                                 


 

 


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