地元企業との連携で生まれた
     「世界初」の技術によるがん検査用バーチャルスキャナー

がんの検査をサポートする革新的技術

バーチャルスライドスキャナーの研究開発、販売を手掛ける株式会社クラーロは、バーチャルスライドスキャナーを世界で初めて開発し、市場に出した企業。
バーチャルスライドスキャナーとは、病院や大学の研究機関で細胞などの微細なものを高倍率・高解像度の顕微鏡画像としてコンピュータに取り込み、デジタルデータとして手軽な閲覧を可能にするスキャナーである。

サポインの成果「toco」 サポインの成果「toco」
高性能を保ち、小型化、コストダウンに成功 高性能を保ち、小型化、コストダウンに成功

世界唯一の技術が5つ搭載された商品

代表取締役高松輝賢氏 代表取締役 高松輝賢氏

サポインの成果や、その後の補完研究などで開発された技術により、4機種を開発、事業化し、同社は展示会で大盛況を得た。
世界唯一の技術とは下記の5つ。

  • 100倍の対物レンズを搭載している(高倍率、高画質の実現)
  • 100VのACアダプタで稼働できる(小型化、コストカット)
  • ノートPCで操作ができる(小型化、コストカット)
  • スペックアップができる(コストカット)
  • 桁違いに低い消費電力(小型化、コストカット)
※他社商品の消費電力は400w~2000wが一般的なのに対して、同社商品の「toco:50w」、「lince:65w」、最新の「fino:40w」となっている。

これらの技術を結集して開発されたバーチャルスキャナーは、他社商品よりも「高精度」なスキャンによって「高倍率」、「高解像度」を実現。かつ、安価に購入でき、持ち運び、設置が容易にできる製品として、市場に受け入れられている。

サポイン後に開発された商品 サポイン後に開発された商品
大反響があった展示会 大反響があった展示会

自社の存続に関わる危機的状況の打破するために

同社の高松社長に、開発の背景を伺った。
「外資系企業が高速スキャンを可能にした商品で市場に参入するという情報を得ました。
ベンチャーとして他社の高スペックな商品の技術力に負けた場合、自社の存続に関わる危機的状況だと判断し、ライバル企業に勝つための技術開発を行う決断をしました。」
自社が保有する技術、知見をもとに研究開発すれば勝機があったものの、今後の市場ニーズ、マーケットの変化に対応していくために、開発リスクの全てを負うことは非常に困難だった。
開発リスクである、資金の問題や目的とする技術を開発するための時間や人を捻出することで悩んでいたとき、公益財団法人21あおもり産業総合支援センターからの紹介と支援でサポインに応募することにした。

開発チームメンバー 開発チームメンバー
バーチャルスキャナー使用シーン バーチャルスキャナー使用シーン

売れる商品をつくる決断

Point

採択後、開発初期は外資系企業のスペックに対抗できる商品開発を目指していた。
地元企業との連携もあり、ライバル企業と遜色ない商品の開発に成功。しかし、開発した商品は、同社がターゲットとしている市場のニーズに商品の「大きさ」、「金額」ともに乖離しているように感じたという。
この状況を21あおもり産業総合支援センターの担当者に相談、今後の方針について、プロジェクトに参加している企業とも意見を出し合った。
「当初の目的だった「スペック」を保つことよりも、「市場のニーズ」に重点をおいて、開発を進めることになりました。」
高松社長はこの時の決断が売れる商品を作る重要なポイントだったと振り返る。


スペック重視の高速バーチャルスキャナー スペック重視の高速バーチャルスキャナー

市場のニーズを重視した結果、「toco」と「Lince」という新商品の開発に成功。
この二つの商品は、研究開発で得た、「振動抑制技術」、「小型化」、「低コスト化」という三つの技術、ノウハウを結集して作られ、展示会でも話題になり、今では市場で広く受け入れられている。


サポインの良かったところ

高松社長は、「当初に設定した目標に縛られるのではなく、市場の状況に柔軟に対応できるところがよかった」と語る。
それにより、サポインの成果として4機種の開発に成功。
バーチャルスキャナーの市場は、今後の成長が予想されていることで各社メーカーがこぞって開発を行っていたが、そのほとんどが一つの商品の開発に留まっていたため、短期間に4機種の開発に成功したことはクライアントから大きな驚きと反響を得られたという。


「4機種を発表した展示会では市場のニーズに合わせ、安価なものから高機能なものまで発表することができ、人垣ができるほどの反応を得ることができました。
今では、離島含め、遠隔検査が必要な場所でも使用いただいています。」と高松社長。

今後の展望

高松社長は今後の展望として、下記のように話している。


1. 自社製品の国内市場拡大
現在は、がんの検査に特化して商品開発を行っているが、血液まで見ることができる自社の商品力を活かして、がんの市場よりも大きい、血液の市場に挑戦していきたい。


2. 医師の見逃しを防ぐ商品の技術力向上
がんの検査をより正確に行うサポートをしていくために、見逃しを減らす商品の工夫が重要になる。そのために今以上に技術力を高めていく。


3. 自社商品の海外市場進出
今までは、国内にターゲットを絞って活動してきたが、この業界は、海外のほうが圧倒的に多くのニーズがあり急速に拡大を続けている。今後は、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアの市場を視野に入れて活動していきたい。


今後も市場が拡大するであろう医療検査分野、クラーロの挑戦は続く。

海外にバーチャルスキャナーを運んだ時のトラベルバック 海外にバーチャルスキャナーを運んだ時のトラベルバック
海外での展示会の様子 海外での展示会の様子

Company Data 株式会社クラーロの企業データはこちら


マッチング事例の一覧
株式会社クラーロ

位置決め技術の高度化による大量自動供給高速画像処理装置の開発

株式会社クラーロ(青森県)

株式会社秋田今野商店

化粧品・医薬部外品素材としての天然保湿因子の探索と生産技術の開発

株式会社秋田今野商店(秋田県)

ヤマセ電気株式会社

レーザ・パターニングとインモールド成形での異種材料複合化技術による次世代HV/EV用ECUケースの開発

ヤマセ電気株式会社(宮城県)

テクマン工業株式会社

プラスチックペレット品質管理システムの高度化開発

テクマン工業株式会社(山形県)

石橋工業株式会社

工法転換を実現する精密薄板プレス鍛造複合加工技術の開発

石橋工業株式会社(福島県)

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