プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 電気化学検出法による高感度・小型エンドトキシン検査装置の開発
対象となる川下分野 医療・バイオ
川下企業における
ニーズの対応
上記ニーズに対する
具体的な数値
事業化状況 試作品完成、事業化未達成
対象としている素材
採択年度 平成23年

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯

 エンドトキシンは内毒素とも呼ばれ、人の血中に混入すると炎症性の反応を誘発し、敗血症性のショックにより死亡に至ることもある厄介な物質である。
 透析や再生・移植医療の現場では、エンドトキシンの測定と管理が非常に重要になっているが、従来品では検査技師でも煩雑な操作が必要であり、装置も高価なため小規模施設では導入に至っていない。
 本研究開発では、医療の安全性を確保するため、革新的な電気化学検出法を用いた電極チップと検査装置の高再現性、低雑音化、大量・低コスト生産化の課題を高度化目標として、電極チップの設計製造技術を確立し、小型検査装置を開発することを目的とする。

研究開発のポイント

 現在透析用に市販されているエンドトキシン測定装置には、チャールスリバー社製のEndosafeR-PTSTM が競合品としてあるが、本体が70 万円前後、カートリッジが1 回あたり数千円と保険点数(10 点)に対して非常に高コストであり、低コストの検査装置が期待されている。
 このような市場の要請に基づいて、本事業では安価な電極チップを実現するための電極構造と電極材料についての研究開発を行い、さらに高再現性とノイズ低減を意図した今回提案の実装技術の実用化を目指して、小型検査装置の試作開発を行った。
 また、試作した電極チップと検査装置を川下製造企業およびエンドユーザーが評価を行った。

研究開発の具体的な成果

電極チップの構造について詳細設計を進めると同時に各種カーボン材料サンプルの電気化学特性の評価を行い、安価な電極チップを実現する技術を確立した。
 電極部の印刷にはスクリーン印刷を採用し、安価なカーボンインクで電気化学計測可能なチップの試作に成功した。
 またポンプを使わない安価な装置にするために、チップに流路を作製し、毛細管現象により途中に封入された凍結乾燥試薬と混合しながら試薬が検出部に到達するような設計とした。
 また、ゼロ補正技の検討を行い、量産工程への導入が可能な方法として、チップの組立てをクリーンルーム内で行い、そのままクリーンルーム内でパッケージングする方法を採用することとした。
 これらの技術を用いたプロトタイプチップを作製し、エンドトキシン検出性能を評価したところ、検出時間60 分および10 分でそれぞれ5 EU/L、100EU/L 以上の検出感度を達成し、目標値を上回る成果を得ることができた。
 

利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等

eExpo

https://eexpo.jp/companies/2000251476

J-GoodTech

事業化への取り組み

知財・広報活動
今後の見通し  米国食品医薬品局(FDA)には、エンドトキシン公定法はLAL 試薬を用いてphotometric method(光学的な測定法、ゲル化法、比色法など)によるという規定があり、電気化学測定法ではよほど相関データが良くなければ認可を取ることは大変と考えられた。
 しかし最近発行された文書によれば、真度、感度、精度、選択性、自動化およびデータ自動整理への適合性の点でまたはそれ以外の特別な状況で利点があれば、公定法と同等以上の結果が得られることを条件に代替方法及び手順を用いても良いとFDA の見解に変化が見られる。

 一方日本薬局方では、検査装置内に保存された検量線は認められていない。
 LAL 試薬のロット毎にデータをとって検量線の信頼性確認試験を行わなければならないと規定しており、Endosafe -PTS と同じ考え方で、チップのロット毎に検査装置内の保存検量線に対して補正を加えるだけでは日本薬局方の認可を取るのは難しそうである。

 事業化に当たっては、柔軟な対応に変化してきたFDA の認可を取ることが先決ではないかと考える。
 医薬品製造におけるエンドトキシン検査は、最終試験と工程管理で行わなければならないが、海外における最終製品試験ではFDA の認可がとれている試薬と試験方法で行うことが必須である。
 また国内では、移植医療はFDA のガイダンスに準拠してエンドトキシン検査を行っており、FDA の認可があれば販売しやすいとみられる。

 国内市場より先進国と新興国を合わせた海外市場の方がはるかに大きく、生化学工業(株)の米国子会社であるAssociates Cape Cod 社のルートを活用してFDA 承認取得を規制当局へ働きかけ、グローバル販売も視野に入れた活動を行っていくことが重要と考えられる。
当初の目標を踏まえた上での達成度や新たな課題

研究開発の体制

事業管理機関 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構(ICR)
法認定事業者 株式会社アイ・ティ・リサーチ
研究実施機関 株式会社アイ・ティ・リサーチ
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
東北大学 未来科学技術共同研究センター
山形大学

PRコメント

事業の参考となる資料

成果報告書概要版 【成果報告書】H23補正サポイン_エンドトキシン検査装置(ICR)

企業情報

社名 株式会社アイ・ティ・リサーチ
所在地 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学未来医工学治療開発センター5階S6
電話番号 022-301-8277
業種
事業内容 1. 電子応用計測機器、光応用計測機器の設計、製作および販売
2. 情報処理システムの設計、製作および販売
3. ソフトウェアの開発、制作および販売
4. 通信機器による人または動物の行動分析に関する情報の収集、分析およびサービスの提供、その他調査全般
URL http://www.itresearch-itr.com/
本プロジェクトに関する問い合わせ先部署名・担当者名 代表取締役 川端 荘平

  • 経済産業省
  • 中小企業庁
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構
  • eEXPO