プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 プラスチックペレット品質管理システムの高度化開発
対象となる川下分野 プラスチックメーカー
川下企業における
ニーズの対応
現在、プラスチック成形業界では高透過率プラスチック及びカラープラスチックなどによる、高品質で高付加価値の製品が多く求められている。このような製品では材料品質確保のため原料ペレットの全数検査が強く求められているが、現在の検査技術では色付きまたは半透明のペレットしか検査装置が実現できておらず、成形業界の要求に十分に応えることができていない状況にある。
上記ニーズに対する
具体的な数値
事業化状況 製品化・・・顧客ニーズに沿ったオプションを搭載し対応
対象としている素材 プラスチック、ペレット、画像処理、リアルタイム処理、検査、選別
採択年度 平成22年

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯

国内のプラスチック産業は、ここ十数年1,400 万トン前後の生産量で推移しており、殆ど成長していない状況にある。
一方で、アジア諸国では毎年高い成長を続け、世界全体の50%程度にあたる1 億5,000 万トンの使用が予想されている。
こうした状況で、国内のプラスチックメーカーに求められるのは量的な成長ではなく高付加価値化による利益や生産量の確保である。
この様な背景を受けて、現在、プラスチックペレット市場では、高品質な高透過率(以後、完全透明と記載する)プラスチックペレット及びカラープラスチックペレットを原材料とする、光学、ディスプレイ、医療、食品包装、外装材用途などの高品質で高付加価値の製品が多く求められている。
テクマン工業㈱は、プラスチックペレットから異物除去を行う選別機のメーカーとしてこれまでに100 社前後のコンパウンドメーカーとの取引実績があり、それらの取引先においても光学材料・外装材用途のペレットが大量に生産・使用されており、製品品質を確保するためにも微細な異物も許さない高い品質のペレットが求められている。また、微細プラスチック成形加工分野においては、異物除去に加えてペレット形状の安定性も求められており、各エンドユーザーはような背景から高品質なペレットの供給を希求している。
高付加価値の成形製品は、国内の成形メーカーにとって国内生産で生き残るための鍵となる製品群と捉えられており、この様な製品では材料品質の確保のための原料ペレットの全数検査が強く求められる。
しかし、現在の検査技術では透明なペレットや多彩な色付きのカラーペレットに対応できる検査装置が実現できておらず、検査装置メーカー側として成形業界の要求に十分に応えることができていない状況にある。

研究開発のポイント

プラスチックペレット用品質検査装置として、次の三つの装置の開発を行う。
一つ目は、複雑な光学特性によりこれまで実現が困難であった高速な透明ペレットの検査装置の開発である。

二つ目は、色調が多様で検査の条件出しが難しかった多様なカラーペレットに対応する検査装置の開発である。

三つ目は、形状検査に対応した検査装置の開発である。

これらの開発の実現のために、それぞれ下記のサブテーマを設定して開発を進める。
 

研究開発の具体的な成果

① 透明プラスチックペレット品質検査システムの開発
・PC モニタリングシステムの開発により、高速・高分解能のラインスキャンカメラによる撮影画像を容易にモニタできるようになった。
・ドーム照明を自由落下方式のペレット検査システムへ導入し、透明ペレットの検査が実現した。
・計測分解能は原理的に約40μm、処理能力は1t/hr である。
・国際プラスチックフェア2011(IPF2011)へ試作機を出展し、多数の企業から評価依頼や問い合わせがあることから、早期に製品化に向けて取り組む必要がある。

② カラープラスチックペレット品質検査システムの開発
・従来のペレット検査装置をベースに、高分解能カラーラインスキャンカメラへ置き換えを進めた。
・計測分解能は原理的に約40μm、処理能力は1t/hr である。
・カラー画像対応の画像処理アルゴリズムを開発し画像処理ボードへ処理を実装した。
・カラー処理によるペレット検査を実現した。
・カラー画像処理用の閾値分析ソフトウェアを開発した。今後、様々な試料でのテストを行い、実際の運用に向けた改善を進める予定である。
・従来のモノクロカメラタイプでは困難だった再生材などでの評価が良好であることから、検査条件の最適化などを行い、製品化に向けた取り組みを進める。

③ プラスチックペレット形状計測品質検査システムの開発
・PC にリアルタイムOS を導入し、Windows ベースの画像処理と連動してリアルタイムにデジタル出力できることを確認した。
・イジェクタ制御を行うための外部I/O 制御基板をCPLD ベースで独自に開発し、動作確認を行った。今後、画像処理部分と統合してFPGA 化する対応について検討を進める。
・ラインスキャンカメラの画像を対象にした形状計測画像処理アルゴリズムを構築し、処理能力の評価を行った。
・処理能力は装置ベースで1t/hr、ペレットの長径短径計測程度の画像処理であればこれに応じる処理速度が実現できることを確認した。
・計測分解能は原理的に約40μm で、測定値は端点の画素間距離で計算するためそれよりも高分解能で算出される。繰り返し精度は現在評価中である。
・形状計測の画像処理を行う検査装置としての構築を今後進める予定である。

利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等

自動車メーカー、大手ケミカルメーカーでの選別機としての導入

eExpo

J-GoodTech

好事例のご紹介

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事業化への取り組み

知財・広報活動 「ものづくり日本大賞 東北経済産業局長賞」「新機械振興賞 中小企業長官賞」を受賞するに至り、大いに企業PRに繋がった
今後の見通し 【透明ペレット品質検査システム】
数社からの引き合いがあり、随時テストを行っている。顧客毎に対象となるワークの状態が異なることから、十分な性能が得られて導入間近の企業もあれば、性能の向上を行いながら導入の検討を頂いている企業もある。また顧客ニーズに沿って処理量を3ton/h以上に対応した装置を開発し、販売に至った。中でも最も期待できるのが、自動車分野である。このところ大きな話題になっている窓ガラスの代替のいわゆるグレージング用途で、ガラスに比べてプラスチックの耐衝撃性や断熱性に優れているほか、重量が約1/2と軽いのが特徴で、軽量効果が大きく、燃費性能改善に直結する。
また、形状自由度が高く、一体成形が可能でありデザインや生産性の向上に寄与することから、先行する欧州では実用化されているため、日本国内での需要が加速するものと期待している。更に、穀物などの樹脂以外への対応を進めている。
【カラーペレット品質検査システム】
閾値調整ソフトウェアの開発が完了し、粉砕材のリサイクル工程における分別用途に関しての引合いについては、随時テスト評価中である。従来機の導入先で樹脂ペレットの他品種・多色に対応する異物除去を検討していることから、カラー機のテスト評価を進めている。【形状計測対応品質検査システム】選別機で選別されNGとして排出された樹脂異物検査(異物サイズや画像)としての検査機の開発を求められており、現在 客先からの需要や必要性能などの調査を進めている段階である。需要によっては、装置化の検討を進める予定である。
当初の目標を踏まえた上での達成度や新たな課題 [透明ペレット品質検査システム]
照明ブースの改良により、選別精度の向上に繋がった。
また、光学系用途で、分解能:15µmの検査機の要求があることから、搬送、検査ブース環境を含めた検討が必要である。

[カラーペレット品質検査システム]
色差の微妙な色選別などの要求が高いことから、システムの見直しを含めた検討が必要である。

[その他]
樹脂ペレット内部の微量な金属の検査要求がある。
市場調査を含め検討を行う。

研究開発の体制

事業管理機関 公益財団法人山形県産業技術振興機構
法認定事業者 テクマン工業株式会社
研究実施機関 テクマン工業株式会社
株式会社相田商会
山形県工業技術センター

PRコメント

事業の参考となる資料

成果報告書概要版 サポイン(プラスチックペレット)報告書概略版

企業情報

社名 テクマン工業株式会社
所在地 山形県鶴岡市下清水内田元74番地の17
電話番号 0235-23-0007
業種
事業内容 ・成形機周辺装置、各種自動化機器省力化機器の開発、設計
・射出成型機(油圧・電動)、小型プレスの開発、設計
・荷物用エレベーター(ポーター)、プラスチックペレット選別機、各種物流機器の開発、設計
URL http://www.tecman-kk.co.jp
本プロジェクトに関する問い合わせ先部署名・担当者名 マスプロ事業部 部長 皆川 力

  • 経済産業省
  • 中小企業庁
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構
  • eEXPO