プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 超臨界水熱合成法による高性能磁性材料の製造技術及び製造装置の研究開発
対象となる川下分野
川下企業における
ニーズの対応
高機能化、コスト低減、短納期化
上記ニーズに対する
具体的な数値
製造時間:従来法(機械的粉砕法)の1/10
コストパフォーマンス:700円/㎏(年間100トン、従来法500~1,000円)
粒度分布:平均200nm (従来水熱合成法10~40nm)
結晶構造:バラツキのない結晶構造(粉砕法ではバラツキあり)
磁石(磁性):飽和磁化特性 70emu/g以上
事業化状況 試作品は完成したが、価格面で、より低減化を図るため補完研究予定
対象としている素材
採択年度 平成23年

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯

 現在、自動車産業では電装用モーターの小型・軽量化、コストダウン、高性能化のニーズがある。
 モーターの小型軽量化には、磁石の薄型化、小型化が課題で、焼成、成形加工に適した磁性材料粒子がカギとなる。
 その際、工業的にコストや性能を満足する、粒子製造プロセス開発が必要となる。
 本事業では、東北大学が産学連携研究で見出した、高性能フェライト磁石用ナノ粒子の超臨界水熱合成法に基づき、原料粉体の大量生産プロセスの高度化を実現するための技術開発と実証試験装置を開発し、国際競争力の強化と自動車産業界等の川下ニーズに応えることを目的とする。
 また、その成果は、希土類磁石の一部置き換えにも繋がり、レアアース低減にも寄与する。

研究開発のポイント

 本事業では、超臨界水熱合成法によるSrフェライトナノ粒子の技術開発を行い、得られた粉体の性能を実証し、超臨界水熱合成による磁性ナノ粒子の製造技術を確立させた。
 本事業での超臨界水熱合成技術によるナノ粒子磁性材料の創製と製造装置の研究開発は、自動車電装用および家電用モーターナノ粒子磁性材料として重要なSrフェライトのナノ粒子製造技術の確立と評価用サンプル製造ならびに流通式製造装置の開発を行うことを目標とした。
 
 現在販売されている高性能フェライト磁石の基本原料はSrフェライトであり、Laやコバルトといった金属を微量添加することで、磁性の高性能化が図られている。
 ところが、従来法の機械的粉砕法や、水熱合成法によるSrフェライトの合成法では、これ以上の磁性向上を図ることが難しいことが分かっていた。
 
 本事業では、超臨界水熱合成法によるSrフェライトナノ粒子の技術開発を行い、得られた粉体の性能を実証し、超臨界水熱合成による磁性ナノ粒子の製造技術を確立させた。
 この技術によるSrフェライトの製造装置を開発し、磁性メーカーに評価用ナノ粒子を提供した。

研究開発の具体的な成果

 本事業では、超臨界水熱合成法によるSrフェライトナノ粒子の技術開発を行い、得られた粉体の性能を実証し、超臨界水熱合成による磁性ナノ粒子の製造技術を確立させた。
 その内容は飽和磁化特性の目標値70emu/gに対し69.5emu/gの飽和磁化特性が得られた。
 また、粒子径の目標値である200nmに対して200nm±50nmの結果が得られ、ほぼ目標を達成するなど、本事業の目的とする技術的な集積並びに目標値について多大な成果が得られた。

利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等

eExpo

J-GoodTech

事業化への取り組み

知財・広報活動 ◆国際会議
1. "Crytal structure あんど thermoelectric properties of partially Cr- substituted MnSiγ(γ〜1.7)"
Y.kikuchi, K.hayashi, K.yubuta, and Y.miyazaki
The 31st International & 10th European Confe Conference on Thermoelectries (July 9 -12, 2012, Aalborg, Denmark)

2. "High performance p -type magnesium silicon thermoelectric semiconductor"
T.kajitani, M.kubouchi, S.kikuchi, K.hayashi, T.ueno, and Y.miyazaki
The 31st International & 10th European Confe Conference on Thermoelectries (July 9 -12, 2012, Aalborg, Denmark)

3. "Thermoelectric properties of p -type MnSiγ(γ〜1.7) substituted by transition metal elements based on VEC rule"
Y.Kikuchi, K.Hayashi, K.Yubuta, and Y.Miyazaki
IUMRS International Conference on Electric Materials (September 23 -28, 2012, Yokohama, Japan)

4. "Anisotropy in thermoelectric properties of MnSiγ film"
K.hayashi, K.Takeda, Y.Kikuchi, Y.Miyazaki
IUMRS International Conference on Electric Materials (September 23 -28, 2012, Yokohama, Japan)

5. "Structual complexity of high performance p-type magnesium silicide thermoelectrics"
T.Kajitani, K.Hayashi, S.Kikuchi, M.Kubouchi, and Y.Miyazaki


◆国内会議
1.“ホウ素をドープしたMg2Siの熱電特性”
窪内将隆, 林 慶, 上野 亨, 宮 譲(口頭発表)
第9回日本熱電学会学術講演会, 2012年8月27-27日,大岡山,東京

2.“自動車排熱をターゲットとする熱電変換材料の開発”
宮 譲, 菊池祐太, 齊藤祥二, 林 慶(口頭発表)
第73回応用物理学会学術講演会, 2012年9月11-14日,松山,愛媛

3.“元素置換によるp型MnSiγ(γ〜1.7)の熱電特性向上”
菊池祐太, 齊藤祥二, 林 慶, 湯蓋邦夫, 梶谷 剛, 宮 譲(口頭発表)
第73回応用物理学会学術講演会, 2012年9月11-14日,松山,愛媛

4.“Si仕込み量を調整した(Mn0.7Fe0.3)Siγの熱電特性”
中條隆貴, 菊池祐太, 上野 亨, 林 慶, 宮 譲(口頭発表)
第67回応用物理学会東北支部学術講演会,2013年12月6-7日,仙台

5.“(A,Mg)2Si;A=Sr,Ba型Zintl相の単結晶構造解析”
梶谷 剛, 林 慶, 湯蓋邦夫, 上野 亨, 窪内将隆, 宮譲(口頭発表)
第67回応用物理学会東北支部学術講演会,2013年12月6-7日,仙台

6.“熱電特性A-Mg-Si(A=Ca,Sr,Ba)系の不純物相”
梶谷 剛, 林 慶, 上野 亨, 窪内将隆, 宮 譲(口頭発表)
第67回応用物理学会東北支部学術講演会,2013年12月6-7日,仙台

7.“リン酸塩系ガラスの熱的特性とガラス構造評価”
黒江礼奈, 井原梨恵, 高橋儀宏, 藤原 巧(ポスター)
公益社団法人日本セラミックス協会2012年年会,2012年3月19日, 京都大学

8.“リン酸塩系ガラスの作製と物性評価”
黒江礼奈, 井原梨恵, 高橋儀宏, 藤原巧(口頭発表)
H24年度日本セラミックス協会東北北海道支部研究発表会
2012年11月8日,岩手大学 復興祈念銀河ホール

9.“SNO-ZnO-P2O5-SiO2系ガラスの熱的特性とガラス構造”
井原梨恵・黒江礼奈・高橋儀宏・正井博和・藤原 巧(ポスター)
第59回応用物理学関連連合講演会,2012年3月17日,早稲田大学
今後の見通し 本研究開発で得られた知見をもとに、高機能製品開発、生産性向上のための研究開発を継続して行い、機能性材料としてのSrフェライト粒子の事業化を推進する。
当初の目標を踏まえた上での達成度や新たな課題 ・ 回分式の超臨界合成試験において、単相Srフェライトの合成に成功した。更にオストワルト熟成の導入、カルボン酸添加により目標の飽和磁化特性70emu/gに対し、69.5emu/gの成果が得られた。
・ 回分式Srフェライトの合成検討を行った上で、流通式の実証試験機として超臨界水熱合成装置(MOMI超MINI)及び高圧スラリー投入装置を作製し、流通式合成法にてSrフェライト粒子の合成に成功した。
・ 流通式水熱合成方法を行い、急速加熱での合成において目標付近の200~300nmの均一なSrフェライト粒子が得られた。又、数種の修飾剤を用いて成長面抑制効果を確認し、目標である粒子径200nmに対し、200nm±50nmの成果が得られた。
・ 生産性向上のため2ゾーン加熱ユニットを作製し、30時間連続合成を実証した。又、高圧スラリー投入装置各所に原料スラリー加熱機能を追加する改造によって排出時10wt%の粒子濃度での回収が可能となり、生産性向上に貢献した。
・ 長時間連続合成により得られたサンプルを用いてICP測定を行い、過酷条件下での配管腐食問題を解決し、原料と排出液からのFe残存量より原料のFe源は100%Srフェライトに転化している事を確認した結果、残留磁束密度などにおいて一定の評価が得られた。
・ 生産性向上に伴い、製品評価サンプルの大量生産を行いTDK株式会社へ提供、実際の磁石としての製品評価を依頼した。
・ 当事業の目標には無かった、扁平状の粒子特性が製品成形の際問題となり、この問題に対し様々な添加剤を持ち入り粒子の結晶面の成長メカニズムの解明を行った。この解明による結晶成長の制御を事業化に取り入れ、更なる高機能材料の生産に役立つことが期待される。

研究開発の体制

事業管理機関 一般財団法人青葉工学振興会
法認定事業者 株式会社アイテック
研究実施機関 株式会社アイテック
財団法人青葉工学 振興会(国立大学法人東北大学)

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事業の参考となる資料

成果報告書概要版 23120405008_(一財)青葉工学振興会_超臨界水熱

企業情報

社名 株式会社アイテック 仙台研究所
所在地 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40  独立行政法人中小企業基盤整備機構 東北大学連携ビジネスインキュベータ(T-Biz)内
電話番号 072-226-8853
業種
事業内容
URL http://www.itec-es.co.jp
本プロジェクトに関する問い合わせ先部署名・担当者名 経営企画室 室長 三宅 英雄

  • 経済産業省
  • 中小企業庁
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構
  • eEXPO