秋田県 川連漆器の製法や工程について

製造工程

 文明の進歩が作りだした環境ホルモン問題が大きく取り上げられている。給食食器PC(ポリカーボネート)容器から溶けだす環境ホルモン。
自然に帰れ! 川連の職人は今、意欲に燃えている。次世代を担う子孫に、安全性の高い漆塗りの給食食器を…漆器産地であるからこそできるのかもしれない。
平成10年度活路開拓調査・実現化事業により試作した給食用食器に引き続き焦点をあて、行政、業界が連携のもと試行錯誤を繰り返し、木製食器への切り替えの第一歩を踏み出した。

 一方、後継者不足の産地の悩みを乗り越えようと、若手職人自らによる活動が大きな波紋を広げている。平成7年から2年越しで成し遂げた、町章、直径120cmもの漆器の大盃の修復作業。
それぞれの仕事を終えた夜に集まって作業をした、長期戦の大事業であった。これを契機として、この結束力を基盤に、現在、町の花「梅」をモチーフとする大テーブルと椅子のセットにチャレンジしている。
これに対しては、日展作家や先輩職人達が、進んで指導・助言をしている。産地が一体となった取組みに発展し、話題を呼んでいる。
 小規模ながらも意欲満々、この不況下に、川運漆器職人の熱い意気込みを肌で感じる。

技術・技法

  1. 木地造りは、次のいずれかによること。
    1. 挽き物にあっては、ろくろ台及びろくろがんなを用いて成形すること。この場合において、「煮沸」及び「薫煙乾燥」をすること。
    2. 「角物」にあっては、「挽き曲げ」、「留付け」又は「ほぞ組み」をすること。
    3. 曲げ物にあっては、「ころ」を用いる「曲げ加工」をすること。
  2. 下地付けは、次のいずれかによること。
    1. 「蒔地下地」にあっては、生漆及び炭粉を用いる「掛地」をした後、生漆を用いる「地塗り」をすること。
    2. 「渋下地」にあっては、「地炭付け」、「柿研ぎ」及び生漆を用いる「地塗り」をすること。
    3. 「漆本下地」にあっては、「のり漆」を用いる「布着せ」、「さび」を用いる「布目摺り」、「地の粉付け」、「切粉付け」、「さび付け」及び生漆を用いる「地塗り」をすること。
  3. 塗りは、次のいずれかによること。
    1. 「花塗り」にあっては、精製漆を用いる下塗り、中塗り及び上塗りをすること。この場合において、塗りには漆刷毛を用いること。
    2. 「ろいろ塗り」にあっては、「素黒目漆」用いる下塗り及び中塗りをし、「ろいろ漆」を用いる上塗りをした後、ろいろ仕上げをすること。
  4. 加飾をする場合には、「沈金がんな」を用いる沈金又は蒔絵によること。

原材料

  1. 漆は天然漆とすること。
  2. 木地は、ホオ、トチ、ケヤキ若しくはブナ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。

産地組合の概要

◇組合名 秋田県漆器工業協同組合
◇所在地 012-0105 秋田県湯沢市川連町字大館中野142-1
◇TEL 0183-42-2410
◇FAX 0183-42-2633
◇ホームページ http://www.Kawatsura.or.jp/
◇企業数 142企業(個人含む)  組合員数110人
◇従事者数 393名
◇年間生産額 約10億3千万円
◇伝統工芸士 38名
◇主な製品 椀、皿、鉢、茶器等