山形県 羽越しな布

山形県 羽越しな布

産地

山形県 鶴岡市、新潟県村上市

歴史

 しな布はいつ頃から織られるようになったのかは、定かでありませんが、平安時代に編纂された延喜式(えんぎしき)の貢物として信濃布が記されていることから当時にはすでに織られていたと思われます。
このように昔は古代布として全国各地で生産されていたようですが、木綿や絹の普及、戦後の化学繊維の大量生産により多くの産地から姿を消しました。
 今なお残る山里の生産地では、冬は雪に覆われるなど厳しい自然条件の中での女性の貴重な現金収入源として、必要不可欠な産業でした。
現在も昔と変わらぬ技術・技法が連綿と受け継がれ、人を惹きつける自然素材の布が織られています。

特徴

 羽越しな布は、山間部に生育するシナノキの樹皮から靱皮を剥ぎ取り、その繊維を糸にして布状に織り上げたもので、ざっくりとした手触りと落ち着きのある風合いが特徴です。
 昔は衣類や穀物を入れる袋、酒・豆腐等の漉し袋、蒸籠の敷布など、主に生活用品として幅広く使われていましたが、現在はその特性を生かした帯、暖簾、バック、帽子など、生活に彩を与える趣味の工芸品として生産されています。

産地PR・最近の取り組み、課題など

 鶴岡市の関川地区では、地域をあげてしな布の生産に取り組んでおり、後継者育成を目的とした研修事業や原材料でもあるシナノキ造成地への植林作業など将来を見据えた取り組みを継続しながら産地の振興を図っています。
 また、デザイン性の高い新たな商品づくりを目指しており、今後の事業展開が大いに期待されています。
 一方で、従事者の減少、高齢化は直面する深刻な問題であり、しな布を産業として発展・拡大させるための克服しなければならない大きな課題です。

指定年月日

平成17年9月22日