山形県 羽越しな布の製法や工程について

製造工程

しな布ができるまでには大変な時間と手間がかかります。本来は二十以上の工程を踏んで布になるのですが、季節ごとの工程を紹介します。

(1)皮を剥ぐ(6月下旬〜7月上旬)
木を切り倒して枝を落とし、しなの木の外皮をはぎ、中皮をとり出し最低1週間から十日、日光に当てて乾かした後、屋根裏部屋などに保管しておきます。

(2)しな煮(8月〜9月)
乾燥したしな皮を一昼夜水に漬けて柔らかくして渦状に巻いた後にドラム缶などで作った大釜にいれ、木灰、水と一緒に十〜十二時間かけてじっくりと煮て柔らかくします。

(3)しなこき(8月〜9月)
釜から出してさっと水洗いして、一枚ずつ薄い層ごとにはがします(へぐれたて)。 これを川に持って行って、繊維だけを残すために石や木の棒でこいていきます。
(4)しな漬け(9月中旬)
しなこきした皮を大きな桶に入れ、米糠と水と一緒に一昼夜漬けた後で川の水できれいに水洗いします。 それを「しな裂き」まで軒先などに吊るして乾燥させておきます。


(5)しな裂き(11月〜12月)
湿り気を与えながら指先でしなを幅5ミリ程になるように裂いて糸のようにします。
(6)しな績み(11月〜3月)
糸のつなぎ目に穴を開け糸をつなぎ、よりをかけて長い糸にします。
(7)しなより(2月〜3月)
糸車をつかって糸にさらによりをかけます。
(8)機にかける(2月〜3月)
できた糸を枠にかけ、へばと呼ばれる台を使って一つの機分の縦糸をかけた後、ちきりに巻き(お巻き)、その後一本の糸ずつ綜絖と筬に通します。横糸はくだに巻いて機織の用意がととのいます。

(9)機織(2月〜4月)
昔から織られている「腰機」や、改良された「高はた」で丹念に織り上げていきます。

技術・技法

  1. 原料のしな皮は、「しな煮」、「しなこき」、「しな漬け」を行うこと。
  2. しな皮を幅三ミリメートル程度に裂き、撚りをかけながら手作業で糸状に績むこと。
  3. 経糸にあっては五から八回程度、緯糸にあっては二から三回程度糸車を回転させて糸に撚りをかけること。
  4. 織組織は、平織りを基本とすること。

原材料

  1. 羽越地域の山間部に生育するシナノキ、オオバボダイジュ又はノジリボダイジュの樹皮から取れる靭皮繊維とすること。

産地組合の概要

◇組合名 羽越しな布振興協議会
◇所在地 山形県鶴岡市関川字向222
◇TEL 0235-47-2502
◇FAX 0235-47-2333
◇ホームページ 関川しな織協同組合(http://sekikawa.shinafu.jp/)
◇企業数 96社
◇従事者数 96名
◇年間生産額 約5千万円
◇伝統工芸士 0名
◇主な製品 帽子、暖簾、帯、バッグ、手提、小物入、アクセサリー