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東北経済産業局 年頭所感

東北経済産業局長相樂 希美 東北経済産業局長 相樂 希美


平成30年の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

旧年中は経済産業行政へ格別の御理解と御支援を賜り、厚く御礼申し上げます。


この5年間、アベノミクス「改革の矢」を放ち続けたことで、我が国経済は、停滞を脱し、国内総生産(GDP)はプラス成長を続け、雇用も大きく改善し、現在も緩やかな回復基調が続いています。東北地域においても復興需要の下支えが減衰するなど一部に弱い動きがみられますが、鉱工業生産が堅調であるほか個人消費も底堅いなど緩やかな持ち直しが続いています。

政府としては、少子高齢化の中で、経済の成長軌道を確かなものとし、持続的な経済成長を成し遂げるため、「生産性革命」と「人づくり革命」を進めております。昨年7月には「地域未来投資促進法」が施行されました。本法律に基づき、地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦する取組を支援し、地域経済において稼ぐ力の好循環が実現されるよう、各省庁の政策資源を集中投入することとしております。また、少子高齢化による労働力人口の減少・人手不足を背景に、多様な人材が活躍する一億総活躍社会の実現に向け、「働き方改革」による生産性の向上を進めているところです。

東北経済産業局では、「東北経済産業局中期政策(2016年度〜2018年度)」を策定し、2020年の東北地域がめざすべき将来像を掲げ、その実現に向けた取組を行ってまいりました。本年においても、多様化・複雑化する地域課題に対応し、東北地域の持続的発展を実現するため、この中期政策の柱となる次の5つの分野について、引き続き重点的に取り組んでまいります。


第一に、復興の加速化と自立的発展への道筋づくりを推進します。

東日本大震災から約6年10ヶ月が経過し、関係者のたゆまぬ努力によって、被災地域の復旧・復興は進展してきております。この復興のさらなる加速化のためには、原子力災害被災地域の住民の帰還実現へ向けた生活環境の整備、産業・生業の再生、津波被災地域の基幹産業である水産加工業等の一層の業績回復や交流人口の拡大が必要です。平成28年3月に「三陸地域水産加工業等振興推進協議会」を設置し、三陸ブランドの価値向上に向けたビジョンを策定しました。「三陸」を世界トップの水産ブランドとすべく、広域連携による海外展開の取組等を推進してまいります。これまでの被災中小企業グループの復旧事業支援や、津波・原子力災害被災地域への企業立地支援等も継続して推進し地域経済の再生を支援するとともに、東日本大震災における減災・防災上の教訓を広く普及し、被災地の交流人口の拡大、風評被害の払拭を目的とした震災復興ツーリズムの取組を推進してまいります。また、平成29年5月に福島復興再生特別措置法が改正され、福島イノベーションコースト構想が同法に位置づけられました。同構想の実現等を通じて、引き続き福島県浜通りの再生に取り組んでまいります。


第二に、ものづくり・情報技術を活用した産業競争力の強化を推進します。

Society5.0(超スマート社会)の実現に向け、機械・データ・技術・ヒト・組織など様々なものの繋がりによって新たな付加価値の創出や社会課題の解決を目指す「Connected Industries」を地域へ展開していくことが重要となっております。「地方版IoT推進ラボ」や「ローカルロボティクス」の推進等により、地域企業の生産性向上や付加価値の高い製品・サービスの創出に向け、引き続きIoT等の利活用促進に取り組んでまいります。また、同時に、企業の情報セキュリティ確保の取組を支援してまいります。

また、次世代自動車、医療機器、航空機、次世代エレクトロニクス等の分野を支える中核企業に対する支援を引き続き行うことで、成長産業領域の更なる伸張に取り組むとともに、東北地域の将来を担う成長産業の裾野を拡大するため、大学発ベンチャーの創出をはじめ質の高い創業支援を着実に実施してまいります。


第三に、海外を視野に入れた地域資源の戦略的活用を推進します。

魅力ある地域資源をブランド化し国内外に広く発信するため、「ふるさと名物応援宣言」をはじめ、「地域資源」「農商工連携」の各種支援事業を推進するとともに、ニーズが多様化する国内旅行客や、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に更なる増加が見込まれるインバウンド客をターゲットに、東北の豊かな地域資源を活用した製品やサービスの需要獲得を支援してまいります。

また、海外展開に際しては、昨年妥結・合意に至った日EU経済連携協定(EPA)及び環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の効果を最大限に活用することにより、中小企業・小規模事業者等の市場開拓・事業拡大を支援してまいります。


第四に、まち、ひと、しごとを支える環境づくりを推進します。

中小企業・小規模事業者が直面する、資金需要や大規模災害等による信用収縮、事業承継等の問題に対応するため、信用補完制度、支援機関の機能の充実や連携の強化、税制支援等を通じた支援を行い、下請等中小企業の取引条件の改善にも取り組んでまいります。

また、深刻な人手不足に対応するため、多様な人材の活用、UIJターンを促進するとともに、企業の経営課題や人材ニーズの掘り起こし、魅力発信力強化を支援する「ピンチをチャンスに変える」取組を、金融機関や商工団体等と連携しつつ、より一層進めてまいります。中小企業・小規模事業者等の生産性向上に向けては、中小企業経営強化税制や経営力向上計画といった中小企業等経営強化法に基づく支援を引き続き進めます。

また、安全・安心な消費活動の確保のため、商取引の適正化や製品の安全確保にも引き続き努めてまいります。


第五に、エネルギー、環境・リサイクル関連の取組を推進します。

現行の2030年を目標としたエネルギー基本計画は、策定から3年が経過し検討の時期に差し掛かったため、昨年8月から議論が開始されました。また、同時に「エネルギー情勢懇談会」が設置され、2050年を視点とした長期的なエネルギー政策の方向性の検討も始まったところです。当局としましても長期的視野に立ち、持続的に東北地域における資源エネルギー、環境・リサイクル施策を展開してまいります。

まず、再生可能エネルギーについては、国民負担の抑制等を目的に昨年4月に固定価格買取制度の見直しを行い、適切な執行を通じ、引き続き一層の普及を進めてまいります。省エネルギーについては、中小企業の省エネ支援を行うため東北6県全てに昨年設置された「省エネルギー相談地域プラットフォーム」等の取組を着実なものといたします。

電源立地地域に対しては、事業効果を念頭に置いた電源立地地域対策交付金の適切な執行により、立地地域を支えてまいります。さらに、電源施設の集積する青森県下北地域については、昨年局内に設置した下北地域活性化PTの活動を通じ、様々な支援施策の活用促進による産業振興を図ってまいります。

また、本年は陸上自衛隊が4年ごとに開催している震災対処訓練「みちのくアラート2018」の開催年に当たることから、関係機関と連携して石油輸送支援訓練を実施し、災害時の対策に取り組みます。

環境・リサイクル分野においては、環境への負荷をできる限り低減した取組を推進し、新たなビジネスの創出、持続可能な社会の実現を目指します。


東北経済産業局といたしましては、これらの施策・支援が東北地域に幅広く浸透し、地域経済の活性化に寄与するよう、地域に足を運び、自治体、支援機関等とも連携を深めながら、職員一同全力を挙げて取り組む所存です。

本年が皆様にとって飛躍の年となりますよう祈念いたしますとともに、経済産業行政への一層の御理解と御支援をお願いいたしまして、新年の御挨拶といたします。

平成30年1月 東北経済産業局長 相樂 希美

このページに関するお問合せ先
東北経済産業局 総務企画部 総務課
電話:022-221-4856
FAX:022-261-7390