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物流効率化ノウハウ

1.施設を持たない共同輸送パターン

出典:物流総合効率化法の活用ガイドブック(平成18年3月 中小企業庁 中小企業基盤整備機構)
2.事例研究

出典:物流総合効率化法の活用ガイドブック(平成18年3月 中小企業庁 中小企業基盤整備機構)

1.物流共同化のパターン

1)施設を持たない共同輸送パターン

施設を持たない共同輸送パターン

 

納品先が重複する複数の荷主の間を、同一のトラックが巡回して積み合わせ、配送を行うという取り組みです。

納入先が大手で、納入業者が多く、かつ多頻度・定時納品を要請されるケース等で導入効果が期待されます。

2)荷主が提携してトラックの往復利用を行うパターン

荷主が提携してトラックの往復利用を行うパターン

 

長距離輸送の場合、荷主1社では輸送が一方通行となりやすく、帰り便のトラックが空運行となり運行効率が低下します。このため、お互いの輸送方面が異なる荷主同士が提携して、帰り便トラックを相互利用し運行効率を向上させる、という取り組みです。

これをITによりマッチングさせる求車・求貨システムが構築されています。

3)物流施設を共同利用するパターン

物流施設を共同利用するパターン

 

食庫や物流センター等を共同化施設として複数の荷主が利用する、という取り組みです。施設の保管効率や作業効率をアップさせることが期待できるほか、拠点からの配送も共同化しやすくなることから、受け荷主側での一括荷受けニーズにも対応できます。

物流事業者同士が共同施設として整備し、共同事業体(組合など)から賃貸するケースもあります。

4)施設を設けた共同輸送パターン

施設を設けた共同輸送パターン

納品先が重複(あるいは近接)する複数の荷主の貨物を共同配送センターに集め、さらにそれを方面・店舗別に仕分けして積み合わせて巡回配送を行うという取り組みです。物流拠点で仕分けするほか、着荷主のニーズに合わせた物流加工なども行うことが可能です。

5)物流拠点の統合と集中による効率

物流拠点の統合と集中による効率

物流拠点を統合・集約することによって横持ち輸送や交錯輸送を緩和する取り組みです。

物流センターの逼迫に対し、その場凌ぎで仮置き場を設けてしまうと、センターと仮置き場の間で横待ちが発生し、非効率な輸送になります。

物流事業者ではこのような荷主の物流問題解決のために、規模の大きな新センターを整備・提供するとともに、これを専用センター化せず、配送エリアの似通った複数荷主向けの共同施設とすることで、幹線・末端集配の双方の効率化を図ることが可能です。

6)広域輸送ネットワークを構築するパターン

広域輸送ネットワークを構築するパターン

物流事業者が連携し、エリア配送のネットワークを構築する連携です。ロットの小さい末端配送業務では貨物の集荷分散機能が重要となるため、全国に商圏をもつ荷主では商圏エリアごとにセンターを設ける場合があります。中小物流事業者にとっては、単独で全国エリア集配を設け負うことは困難ですが、地域に強みをもつ物流事業者が連携することで、全国に拠点をもつ大手物流事業者と同様のサービスを提供することが可能となります。

7)商店街で共同配送を行うパターン

商店街で共同配送を行うパターン

商業・業務機能が集中している中心市街地での貨物の集荷・配送は、トラックに代替する手段がなく、路上の荷捌きなどによる交通渋滞や排ガス対策などが大きな課題となっています。

車両集中による渋滞を解消するためには当該地域への流入車両台数を削減することが必要であり、そのための方策として、物流事業者、自治体、地元商店街等が連携して共同荷捌き施設等を整備することが考えられます。

8)ビル内で共同配送を行うパターン

ビル内で共同配送を行うパターン

 

商店街共同配送と同じく、中心市街地での交通渋滞対策として、高層ビル等の集配を対象とした共同化が行われています。

高層ビルでは、小口貨物等の搬出入が多く、ビルの荷捌施設やエレベーター、地下駐車場、その周辺の混雑が日常化しています。このため、ビル内の共同配送では、高層階への「縦持ち輸送」を分離・集約し、業務の効率性を向上させることが可能となります。

9)貨物・車両・倉庫等の融通(求車求貨)を行うパターン

貨物・車両・倉庫等の融通(求車求貨)を行うパターン

車両や倉庫などの需要(貨物情報)と供給(サービス提供情報)をマッチングさせる連携です。インターネットを利用して、空車や空倉庫が欲しい、車両や倉庫を提供したいといった情報を電子掲示板に登録し、条件に合った企業での取引を促進します。

10)受発注や物流情報システムを共同構築するパターン

受発注や物流情報システムを共同構築するパターン

物流情報システムを共同構築するパターンです。受発注システム、入出荷情報システム、在庫管理システム、運賃計算システムなどがこれにあたります。

往来は情報化にかかる投資が大きく、中小企業が1社のみで取り組むには負担が大きかったことから、事業共同組合等が国や県の補助事業のもとで共同事業として取り組む例が多くみられました。

最近では、ASP等のインターネットを利用したサービスが充実し、初期導入や開発、メンテナンスのコストが低減しています。

ASP:アプリケーション・サービス・プロバイダ

11)情報の標準化、物流規格の標準化を行うパターン

情報の標準化、物流規格の標準化を行うパターン

物流EDIとは、企業間における物流業務のデータを標準化されたデータフォーマットや規則に従い、コンピュータ相互のオンライン伝送によって情報伝達する方式のことです。

直接的な効果として、ペーパーレス化、受発注の伝票作成に伴うタイムロスや人為的ミスが削除されるほか、荷主企業や物流事業者間の情報の共有化により、物流作業や輸配送効率の向上、リードタイムの短縮、在庫削減、物流に関連する事務処理コストの削減といった効果があります。

EDI:電子データ交換(Electronic Data Interchange)

12)SCM(サプライチェーンマネジメント)を通じた共同化のパターン

SCM(サプライチェーンマネジメント)を通じた共同化のパターン

SCMは原材料・部品などの調達から生産・物流・販売、そして消費者への商品供給に関わる一連の活動を総合的に管理する手法です。事業部間や企業の枠を超えたビジネスプロセス全体の効率化・最適化を志向します。部材・部品メーカー、アセンブリーメーカー、場合によっては、販社チャンネルまでも一元的にコントロールすることで、大きなコスト削減の達成を目指す連携方策です。

物流業務では、販売・在庫情報の共有化やクロスドックと呼ばれる仕分拠点の運営、共同配送などが行われます。

2.事例研究

事例1 N事業協同組合(群馬県):高度化融資で共同物流センターを整備

食品の流通加工を行う物流センターは、温度管理、衛生管理などの基準が厳しく、また商品を大手チェーンストアに卸す場合はチェーンの規模にみあった保管・仕分けスペースが必要となり、スケールメリットが重要となります。中小トラック運送業が独自に資金調達をはかるとしたら、せいぜい1億〜数億円が限度と言われており、上記のような物流システムに対応できるような物流拠点は、なかなか手の届くものではありません。
 このような厳しい経営環境のもと、群馬県のN事業協同組合(トラック運送業、組合員数8社)では、中小トラック運送事業者の生き残りを目的に、チルド商品に特化した共同物流センターを整備しました。資金調達にあたっては中小物効法の効率化計画の認定を受け、事業費約18億円のうち、8割を無利子(措置3年、返済期間20年の高度化資金)で調達しました。また組合ではセンター整備の準備段階から大手乳製品メーカーに営業提案と交渉を重ねていました。首都圏の大量需要に対応できるセンター規模、高速ICに隣接するという立地の良さ、コンピュータによる入出庫、在庫、仕分け等の管理、GPS(車両位置検索運行管理システム)による運行のリアルタイム管理、HACCPに則った衛生管理の水準の高さなどが荷主から評価され、センター取扱貨物量及び組合員に委託する配送業務量は順調に拡大しています。現在、組合センターは大規模物流業に負けない効率的な物流システムを実現するとともに、組合員に安定した貨物量を斡旋する営業センターとして欠かせないものとなっています。

N事業協同組合(群馬県):高度化融資で共同物流センターを整備

事例2 M運輸(本部・東京都):地域のトラック運送業が連携して全国を配送圏とするシステムを構築

全国を商圏とする荷主企業では、物流を一括して委託したいというニーズをもっています。一方、中堅・中小運送業は、「全国」というニーズに応えられないと下請運送にならざるをえません。
 このような中、M運輸(東京都、資本金5千4百万円)は、10年ほど前から全国の約30社の輸送業者と提携して、全国エリアを配送圏域とする物流システムの構築に取り組んでいます。

M運輸(本部・東京都):地域のトラック運送業が連携して全国を配送圏とするシステムを構築

連携する企業は、食品に特化した輸送ができること、冷蔵庫、冷凍庫を保有していること、三温度帯の輸送が可能なことなどの条件を満たす地方の中堅運送業です。地方で優秀なトラック事業者として通っていても、全国ネットを持っていないと、大手運送業に負けてしまうことがあります。しかし提携によって地域食品メーカーの都市圏向け小口出荷、大手食品メーカーの全国向け出荷などシステム化が可能になり、営業提案力が強化されています。

事例3 F倉庫と大手電機グループ(愛知県):荷主グループの物流再編に併せて物流拠点統合を提案

物流業にとって倉庫用建物や設備のスクラップアンドビルドは資産戦略の一環として重要です。さらに近年の顧客ニーズに照らせば、荷主企業の統合や大規模化にあわせた設備投資を柔軟に行っていくこと、生産・出荷体制にあわせた輸配送システムを提案していくことが求められています。
  このような中、倉庫業のF社(愛知県)では、3PL事業者として大手電機グループの物流改善(今回の例では家庭用照明器具と換気扇)を提案し、拠点統廃合による効率化に成功しています。

F倉庫と大手電機グループ(愛知県):荷主グループの物流再編に併せて物流拠点統合を提案

F社では新物流拠点を整備し、集約管理やバレタイズ輸送体制の確立、輸配送車両の集約・削減、輸送距離の短縮などをはかりました。その結果、近年特に大企業において重要視されている環境負荷低滅問題に対して、CO2等の排出量を約19%も削減することができ、荷主企業から喜ばれています。
  また物流センターの建設には約17億円かかりましたが、物流統合効率化法の認定を受けたことから、固定資産税の特例と割増償却などの支援が得られ、5年間で約4千万円の減税措置となっています。

事例4 E事業協同組合(埼玉県):中小小売店が連携し調達業務集約化のための共同物流センターを整備

E事業協同組合の構成員である小売業各社は、もともと共通のボランタリーチェーンに加盟していました。
しかしチェーン本部では加盟小売業の増加に伴い、従来は店舗まで商品を配送していたものを物流センターまでの納入に限定してしまいました。物流センターを保有していない中小規模の小売店では商品調達に支障が出たことから、同様の問題をかかえる小売店が協同組合を設立し、物流効率化法を活用して共同物流センターを整備しました。
  共同物流センターを整備することで、調達業務が円滑に行えるようになったほか、各小売店舗のバックヤード規模を縮小できたので、売場面積を増やせるようになりました。またバックヤード業務がセンターに集約されることで物流作業員を各企業ごとに確保する必要がなくなり、効率化しました。

E事業協同組合(埼玉県):中小小売店が連携し調達業務集約化のための共同物流センターを整備

事例5 Y自動車部品メーカー(愛知県):ジャストインタイム物流の高度化に対応した連携

自動車部品メーカーは、完成車メーカーへの納入車両の積載率を向上するため、ライバル企業の壁を超えた共同配送システムを導入しています。
 たとえばワイヤーハーネスなどを生産するY社では、愛知県の田原市に物流センターを整備し、他のサプライヤーの製品も併せて集約・保管しています。センターでは、取引先である完成車メーカーからの車種別電子注文情報に基づき、1台ごとの車両の組み付け順番通りに部品をセット(順引き)します。完成車メーカーへは、多頻度でジャスト・イン・タイム納入が行われています。(物流総合効率化法認定)

Y自動車部品メーカー(愛知県):ジャストインタイム物流の高度化に対応した連携

納入業務とセンターの運営は関連運輸業者により行われ、配送車両は環境配慮のためハイブリッドトラックも導入しています。
  この物流センターは完成車メーカーの工場に近いため、今後は他の自動車部品メーカーの利用も見込まれています。

事例6 M商店街組合と特積みトラック運送会社(神奈川県):市街地の交通混雑緩和に向けた連携

商業・業務機能が集中している中心市街地での貨物の集荷・配送は、トラックに代替する手段がなく、路上の荷捌きなどによる交通渋滞や排ガス対策などが大きな課題となっています。
  M商店街組合(小売店など約250社が加入)では、配送や集荷の車が一日中、入れ替わり立ち替わり流入し、一時は約60台分ある駐車スペースのうちの一部をトラックが占拠するなど、一般客が駐車できないような状況にありました。トラックはショッピング街の美観を損ねるほか、歩行者の視界から遮られることから、交通事故なども危ぶまれました。また集配車からの排ガス削減も問題となりました。
  このため、商店街とトラック会社、そして地元行政が連携し、付加価値の高い中心市街地での土地利用をルール化し、それにかかるコストの負担をゼロベースから見直した上で、地域としてのシステムをつくりあげました。

M商店街組合と特積みトラック運送会社(神奈川県):市街地の交通混雑緩和に向けた連携

事例7 S物流事業協同組合(熊本県):組合でクロスドッキングセンターを整備

熊本県トラック協会の青年部の若手メンバーでは「運送業から物流業への脱皮、発展」「時代、市場が求める先進の物流システム」「共同配送システムの実現」を合言葉にS物流事業協同組合を設立、平成12年には県から高度化事業の認定を受け、組合設立以来の夢と目標であった「24時間フルオープンのクロスドッキングセンター」を実現化させました。
  現在、S組合では熊本と福岡の2ヶ所にクロスドッキングセンター(無在庫型の仕分けセンター)を構え、全九州200km〜300kmのエリアをカバーできる広域配送サービスを提供しています。
  クロスドッキングセンターは集荷、検品、仕分け、加工という一連の業務をシステム化して実施します。
  また参加組合のトラックを共同利用して、積合せ運送にも対応し、小ロット、中ロット貨物の輸送コスト削減に大きく貢献しています。現在の組合員は5社。地元ではS組合のサービスを知っている企業が多く、その組合員であることが各社の営業活動の多くの場面で役立っています。

S物流事業協同組合(熊本県):組合でクロスドッキングセンターを整備

事例8 L協議会(東京都):LLPによる共同倉庫開発を目指す

L協議会は倉庫業界の人的交流や情報交換などの様々な交流を行う場として平成17年に結成されました。
  現在L協議会では、協議会内外から出資(5社程度)を慕って、倉庫事業者による共同貸倉庫建設を目的としたLLP(有限責任事業組合)を設立する予定です。

L協議会(東京都):LLPによる共同倉庫開発を目指す

外資ファンドによるランプウェイを施した大規模な最新物流施設が次々と開発される中で、中小中堅の倉庫事業者は、荷主を失うのではないかという危機感を強めています。中小倉庫業では大規模荷主の貨物波動に対応できる規模の大きい高機能な物流施設をつくりたくても、投資余力が限られ、限界があります。
  このような課題に対して、倉庫事業者が連携し、倉庫会社の、倉庫会社による、倉庫会社のための共同利用型物流施設を検討しています。
  LLPのメンバーは拠点プロジェクトごとに構成員を集める予定です。協議会では、まず1つのLLP事業を成功させ、それを第2、第3の事業に繋げたいと考えています。