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東北経済界としての提言

東北における新物流体系の構築を図るためには、荷主及び物流関連企業が自ら努力してコストの最適化を図ることがまず重要である。しかし、東北の港湾・空港・高速道路等の整備がかなり進んだ今日、これら社会資本の効果的な活用を図りつつ、物流効率化を進めるためには、各県の行政及び経済界が県境を越え、広域的観点から連携・協力して課題解決に努力する必要がある。

また、世界経済のグローバル化の中で、東北が21世紀のフロンティアとして国際競争力のある物流拠点の形成を目指していくためには、陸(高速道路、鉄道)・海(国際コンテナ港)・空(国際空港)一体となった物流関連社会資本の充実に務め、世界に開かれたゲートウェイ機能を高めていく必要がある。

しかし昨今の厳しい財政事情等を背景に、社会資本整備の制約が厳しくなっている中では、東北の中枢拠点として国際貨物の集積度が高い仙台空港・港湾と新潟空港・港湾の拠点整備を優先的・重点的に進めていくことが重要である。

こうした状況を踏まえ、東北の新物流体系の構築に向けて、東北経済界として、特に県や国等の行政機関及び国際物流に携わる民間業界に対して、以下のような提言を行う。

○提言1:ポートセールスの見直し〔県及び物流関連企業への提言〕

ポートセールスにあたっては、個々の荷主の事情に合わせて、より具体的にメリット・デメリットを示すことが肝要である。

このため、県及び物流関連企業においては、最新の情報に基づき個々の荷主に対して的確なセールスを行えるよう、専任者を配するなど官民が協力してポートセールス体制の強化を図る必要がある。さらに、常に最新の情報をより多くの荷主に迅速に提供する必要があることから、インターネットを活用するなど、情報提供の方策の検討が必要である。

また、これまでのポートセールスは各県(港)が独自に行っているが、例えば太平洋側と日本海側での航路の異なる複数の港を組み合わせることで、荷主に対してよりキメ細かなサービスの提供が可能となるため、東北の各県(港)と経済界とが協力してポートセールスを行うことが必要である。

○提言2:各県港湾・空港の機能分担の明確化〔県及び物流関連企業への提言〕

各港湾・空港単独で荷主の要求すべてに応えることが困難であることから、これまで以上に隣県等の港湾・空港との連携強化を図りつつ、東北全体として使いやすい航路整備と集荷・配送体制の整備を進めていくことが大事である。

このため、県及び物流関連企業においては、それぞれの港湾・空港の背後にある荷主の意向や貨物の状況を精査し、その地域の国際コンテナ貨物流動の特徴を明らかにした上で、隣県等の港湾・空港との連携を考慮しつつ、その地域の実情に即した最適な航路の開拓に取り組む等、各港湾・空港の適正な機能分担を図る必要がある。このような各港湾・空港の差別化と連携により、東北の港湾・空港全体として取扱貨物を増やすことが重要である。

また、こうした各港湾・空港の連携強化に向けた集出荷等のフィージビリティスタディを行うための官民による推進組織の設置を検討する必要がある。

○提言3:人材育成・確保とその支援体制 〔荷主企業・物流関連企業及び県への提言〕

 荷主企業においては、輸出入業務を安易に本社や第三者に任せることなく、輸出入業務や物流コストに関する知識のある人材を育成または確保する必要がある。また、地元で輸出入業務を任せられる、あるいはコンサルタント業務ができる企業を育成または確保することも検討すべきである。そのためには、県においても人材育成を支援する体制の整備を図る必要がある。

○提言4:輸送効率化対策 〔物流関連企業及び荷主企業への提言〕

東北における輸送コスト高の要因となっている片荷輸送や荷物量がまとまらない問題に対しては、荷主企業の理解・協力のもと、物流関連企業間での情報交換を進めることにより、帰り荷の確保や混載による輸送効率化に努力する必要がある。

特に空コンテナの回送については、船社間での共同化やレンタル方式の検討、鉄道のオフピークを利用するなど、関連業界内において積極的に取り組む必要がある。

○提言5:インランドデポ等の整備 〔県及び国への提言〕

県及び国においては、地元港湾・空港の航路が利用できない場合でも、地元通関や保税輸送・保税保管のメリットをより多くの企業が享受できるよう、インランドデポ(内陸型国際物流拠点)等の設置・利用促進を図るべきである。

特に、工業集積度が高く国際貨物の需要が見込まれ、かつ、東北縦貫自動車道と横断自動車道との結節点に位置する北上・横手地域及び郡山周辺地域への設置を推進する必要がある。

○提言6:利便性の高い港湾の整備 〔県及び国、物流関連企業への提言〕

利便性の高い港湾整備を図るため、県及び物流関連企業においては、岸壁の整備だけでなく、コンテナヤード等の整備や荷役効率の高い荷役機械の導入、港湾諸手続きの簡素化・EDI化(電子データ交換)が不可欠である。

これらのサービスは他地域の港湾・空港との競争下にあることから、サービスの質と料金を適正に設定することが重要である。サービスの質を早急に高めるためには、例えば、PFI(民間主導による社会資本整備)制度を活用する、同等の荷役性能であれば中古機械の導入を考慮する、といった方策について検討すべきである。

さらに、他地域の港湾・空港より優位に立つためには、船の荷役作業のみならず、陸上側の荷役作業や港湾諸手続き等についても弾力的な運用を行うことにより、実質的な港湾運用時間の24時間化も検討する必要がある。

輸出入・港湾手続きの簡素化・情報化については、国に対して一層の規制緩和や弾力的運用の検討を要望する。

○提言7:物流関連社会資本の連携強化〔県及び国への提言〕
 

陸・海・空の一体的な物流関連社会資本整備の観点から、県及び国においては、主要幹線道路・高速道路と港湾・空港とを結ぶアクセス道路や鉄道の連携強化を図る必要がある。その際、新規路線の整備やコンテナ輸送に対応した改良のみならず、既存の高速道路や鉄道の有効活用策の検討、さらには高速道路や鉄道の港湾・空港、特にコンテナヤードへの直接乗り入れなども検討すべきである。 

特に、2車線のため時間短縮効果の割に料金が高いために貨物車の利用率が低くなっている横断自動車道等については、4車線化の推進あるいは高速道路の利用促進と地域プロジェクトの支援策等のための割引制度の導入などにより、利用率向上を図る必要がある。