【宮城県】仙台いちご

津波被害から立ち上がり、新しいいちご産地づくりを目指して関係者一丸となってがんばっています。
登録情報
仙台いちご 商標登録第5483902号
権利者
全国農業協同組合連合会
商品の区分並びに指定商品
31類:宮城県産のいちご
出願日
2011年3月24日
登録日
2012年4月6日
連絡先
全国農業協同組合連合会 宮城県本部
園芸部 生産販売課
住所:仙台市若林区卸町五丁目1番8号
電話:022-782-3350
商品の紹介
東北一のいちごの生産量
宮城県は東北一のいちごの生産量を誇り、県内で生産されたいちごを「仙台いちご」といいます。沿岸部の産地は大津波で甚大な被害を受けました。中でも亘理町・山元町では 栽培施設の9割以上が壊滅しましたが、現在、新たな「いちご団地」の建設で復興に取り組み、震災前の生産量を取り戻しつつあります。
いちご栽培に理想的な土地で発展
仙台いちごの生産量が最も多いのは、仙台市の南にある亘理町と山元町です。日照量の多さ、温暖な気候、水はけの良い土壌等、いちご栽培には理想的な土地です。昭和初期に亘理町で
初めていちごが栽培されたのが始まりと言われています。
昭和40年代以降、半促成栽培技術の開発、ウイルスフリー苗(生育と収量が良く、形状が揃う作物ができる)の導入などによって、全国的にも有数の産地になりました。
震災からの再生;最新鋭の栽培方法へ
仙台いちごの主品種は「もういっこ」と「とちおとめ」です(2017年2月現在)。「もういっこ」は宮城県で育成され、平成20年に品種登録されました。大きく円錐形をしていて、
果皮は鮮やかな紅色。果肉は淡い赤色をしています。甘酸適和のスッキリとした甘さで、果肉がしっかりしていて日持ちがよいとされている品種です。最近人気が出てきており、震災後から
作付面積が拡大傾向にあります。
亘理町と山元町の主産地は津波の甚大な被害を被りましたが、震災を境に栽培方法も変わりました。これまでは、ビニールハウスの土耕栽培が主でしたが、津波により土壌と地下水が塩害を
受けたことから、最新鋭の高設ベンチ・養液栽培の「大型いちご栽培団地」が建設されました。避難していた生産者も戻り、栽培面積は震災前の6割まで回復しました。
今後は、観光いちご狩りや加工品の開発などにも取り組む計画で、復興を加速するため地域をあげて取り組んでいます。
「仙台いちご」ブランド化の軌跡
仙台いちごは、震災後の平成24年に地域団体商標に登録されましたが、偽装対策のみならず、知名度向上、ブランド化による品質向上効果への期待、宮城の風土にあった品質選定といった
目的により出願されました。
震災後は、いちご産地の復旧と統一した集出荷施設の建設により、JAのブランド戦略への取組にも変化がみられます。震災前は、県内に系統出荷のいちごは個選も含めて「仙台いちご」の名称を
用いることができましたが、今後は共選・共販ものに限って認めることになりました。
また、仙台いちごキャンペーンの実施や各種メディアを活用したPR 活動の実施、菓子メーカーと連携した商品開発を行っています。
一方、宮城県でも「食材王国みやぎ」の魅力を全国に向けて情報発信すべく、首都圏や関西圏などの駅や空港にポスターを貼り出し、プレゼントキャンペーンなどを展開しています。
地域の振興のシンボル「仙台いちご」をどうぞ
仙台いちごは、11月上旬頃から6月頃まで店頭に並び、県内外のスーパー、JA産直施設などで購入できます。1月から毎月15日は「いちごの日」として消費宣伝会も行われています。また、
平成27年からは郵便局の「ゆうパック」による発送の取扱いも復活しました。
さらに、新鮮ないちごを食べたい場合は、現地の農園いちご狩り(1月中旬から6月上旬)がお勧めです。いちご狩り農園については、観光案内などのポータルサイトなどで検索することが可能です。
復興に向けてまい進する生産者の姿は、地域の復興のシンボルとして、消費者でもある被災者の方々に勇気を与える存在になっています。
JAみやぎ亘理直売所「おおくまふれあいセンター」(JAみやぎ亘理ホームページ)
 
文章引用:2017年2月発行 東北経済産業局知的財産室編「きらり!TOHOKU 地域ブランドコレクション」