【岩手県】真崎わかめ(まさきわかめ)

津波の被害から復興を目指している養殖わかめです。厳しい環境で育てられることで上質なわかめが水揚げされます。
登録情報
真崎わかめ 商標登録第5109632号
権利者
田老町漁業協同組合
商品の区分並びに指定商品
29類:岩手県宮古市田老真崎海域及び近隣海域で収穫し、岩手県宮古市田老で加工した塩蔵わかめ
出願日
2007年5月5日
登録日
2008年2月8日
連絡先
田老町漁業協同組合
住所:宮古市田老3丁目2番1号
電話:0193-87-2171
商品の紹介
希少な北方型わかめ
わかめは大きく南方型と北方型に分けられますが、主に三陸地方で収穫されるわかめは、北方型になります。冷たい親潮に適応するため葉が厚くなり、厳しい冬の荒波にも負けないように 全体が細長く、葉の切れ込みが深くなっています。真崎わかめは、沖合の養殖場で寒流の親潮に揉まれて育つ、世界でも希少な北方型わかめです。その深い緑色、歯ごたえと肉厚は、 多くの消費者から支持されています。
わかめを育てるために森を守る
真崎わかめの養殖場は、より環境条件が厳しい沖合に作られています。時には荒波が10メートルを超え、養殖場が壊れることもありますが、高品質のわかめづくりのために外海の養殖に
こだわっています。
また、養殖施設の背後には森林が茂る断崖絶壁がそそり立っており、昔から伐採が規制されてきました。これは、森林が山の保水力を高め、きれいで栄養たっぷりの水が海に供給されるという、
海と山の関係を大切にしてきた先人からの教えによるものです。漁協ではこの教えを守り、平成4年から水源となる山に毎年広葉樹を植樹しているほか、漁業女性部も平成10年から合成洗剤
追放運動を行って、海の水質を守る活動をしています。
津波被害からの復興
田老町では、東日本大震災による大津波によって、多くの漁船や岸壁、養殖施設、加工場等の施設が失われました。漁協ではがれきの撤去や新しい養殖施設の設置などを進め、平成24年3月には わかめの水揚げ・加工を再開することができました。生産量は8割程度まで回復しましたが、販売先減少などもあり、震災前のレベルには達成していません(2017年2月現在)。
「真崎わかめ」ブランド化の軌跡
地域名が入った商標が取れる制度ということで「真崎わかめ」の地域団体商標を出願、平成20年に登録されました。それもあり、以前にも増して知名度が上がりましたが、実需者が他の産地に
切り替えてしまったことや原発事故の風評被害も影響し、売上は伸び悩んでいます。そのため、改めて真崎わかめのブランドを全国に知らしめようとPRに力を入れています。
わかめは腸内環境を整え、便秘を防ぐ効果やフコイダンやヨウ素(がん予防)、そして身体の調子を整えるミネラルやビタミン、アミノ酸などが豊富に含まれている健康優良食品で、漁協では食卓に
積極的に取り入れるように啓蒙普及を行っています。また、自営加工場から販売まで全て行っており、安心して食べていただけるよう、生産・加工履歴情報の公開をしています。
平成26年には、イトーヨーカドーのオリジナルブランド「顔が見えるお魚。」の岩手県産初の商品として販売が始まりました。もともと塩蔵の真崎わかめを取り扱っていた同社が、震災復興支援のため、
漁協と協力し、ブランド化を後押ししています。
ひと味違うわかめを是非一度お試しください
田老町では、わかめの採取は旨みが凝縮する3月から4月に限定しています。そして一般的な塩蔵わかめの多くは塩分量が40パーセントですが、「真崎わかめ」の場合は25パーセント以下に定めており、ひと味違うわかめです。
田老町であれば「道の駅たろう」で入手が可能ですが、漁協がオンライン直販の拡充に力を入れていることもあり、ネット販売を利用するのが一番便利な方法です。贈答用から家庭用のカットわかめ(乾わかめ)
まで消費者のニーズに合う商品が揃っています。漁協以外の大手ネット通販でも商品を取り扱っているところがあります。また、全国のイトーヨーカドーで販売している他、いわて生協、日本生協連では
共同購入の商品として取り扱っています。
 
文章引用:2017年2月発行 東北経済産業局知的財産室編「きらり!TOHOKU 地域ブランドコレクション」