【岩手県】南部鉄器

海外のファンからも注目される日本を代表する伝統的な工芸品。近年は、カラフルなデザインも人気です。
登録情報
南部鉄器 商標登録第5102662号
権利者
岩手県南部鉄器協同組合連合会
商品の区分並びに指定商品
21類:岩手県盛岡市及び奥州市で生産された鉄製のなべ類・鉄瓶・花瓶・風鈴・香炉など
出願日
2006年12月27日
登録日
2008年1月11日
連絡先
岩手県南部鉄器協同組合連合会
住所:盛岡市繋字尾入野64の102 盛岡手づくり村内
電話:019-689-2336
商品の紹介
南部鉄器とは
南部鉄器のブランド定義は「岩手県盛岡市及び奥州市で生産された鉄製のなべ類:鉄瓶・花瓶・風鈴・香炉など」とされています。伝統的なデザインからカラフルなデザインまで、 日本の伝統工芸品のひとつとして地位を守りながらも、常に進化しつづける実用品として愛用されています。使い込むほどに愛着が湧いてくる逸品です。
原材料がすべて調達できるベストな立地
当地において鋳物が発展したのは、周辺で古くから砂鉄、岩鉄などの鉄資源や川砂、粘土、漆、木炭などの鋳物に必要な原料がすべて地元で算出される立地条件にあります。
水沢(現・奥州市)では、平安時代末期から日用品の鋳物生産が盛んになりました。産業として形成されたのは、17世紀中頃の江戸時代、南部藩が京都から釜師・小泉五郎七を盛岡に
招いて「茶の湯釜」をつくらせたのが始まりとされ、約400年の歴史があります。南部鉄器の代名詞とも言われる鉄瓶は、18世紀になってから茶釜を小ぶりに改良し、一般にも広く使われる
ようになりました。
使うほど価値が増してくる鉄器
南部鉄器は、優れた熱伝導力と保温力をもっているのが特徴です。厚さが均一の急須や鉄瓶には、どのような素材を入れても万遍なく熱を伝える特徴があります。
この特徴を生かし、多くの製品は電磁調理器にも対応しています。また、独特な鋳物のデザインから、単なる道具というだけでなく芸術性も評価されています。特に海外向けに生産されたカラフルな
デザインのものは、爆発的な人気を博しています。中国では、伝統的なデザインのものが芸術品として高値で取引されているほどです。使えば使うほど風合いが増し、愛着が湧いてくるということで、
一生ものの実用品と言えるのかもしれません。
「南部鉄器」ブランド化の軌跡
南部鉄器は、昭和50年に伝統的工芸品として国の指定を受けましたが、ブランドとしては古くから確立しています。しかし、国内需要は低迷しているため、南部鉄器の優れた機能性に
高いデザイン性を兼ね備えた新たなテーブルウェアを開発・製造し、海外の販路開拓を狙った新たなブランド確立を目指しています。特に欧米諸国では実用品として、中国・東南アジアでは
富裕層の間で美術工芸品としての価値を求める傾向が強く、有望視されています。
その一方で、産地が不明なまがい物や類似品が出回ったり、日本の製品名が海外で知らぬ間に商標登録されているといった事例も耳にするようになりました。メーカーによっては、品質を
保証する刻印を施すなどの対策を採ってきましたが、関係機関からの進めもあり、地域団体商標を平成20年に取得しました。今後もブランドを守り、地域を代表するブランドとして着実に歩みを
進めていきます。
自分好みの鉄器を発見する楽しみ
全国に店舗を展開している専門店もありますが、盛岡や水沢などの産地では、工房と一緒にギャラリーを設けて直売しているところも多く、気軽に訪れて品定めができます。
また、多くの工房がネット通販も行っています。工房によっては若手のデザイナーを登用して、斬新でカラフルなデザインに積極的に取り組んでいるところもあります。
事前に自分の好みに合った工房を選んでお出かけください。きっと、あなたの好みにあったデザインの鉄器を発見することができます。
奥州南部鉄器(水沢鋳物工業協同組合オンラインショップホームページ)
 
文章引用:2017年2月発行 東北経済産業局知的財産室編「きらり!TOHOKU 地域ブランドコレクション」