【山形県】刈屋梨

鳥海山がもたらした自然の恵みを享受して栽培されている気品あふれる甘い梨です。
登録情報
刈屋梨 商標登録第5016610号
権利者
庄内みどり農業協同組合
商品の区分並びに指定商品
31類:山形県酒田市刈屋産の梨
出願日
2006年4月18日
登録日
2007年1月12日
連絡先
庄内みどり農業協同組合
住所:酒田市曙町1-1
電話:0234-26-5500
商品の紹介
気品あふれる梨
酒田市刈屋地区で梨栽培が始まったのは110年ほど前の明治時代です。刈屋地区は日向川と荒瀬川の合流地点に位置しますが、昔は、この2本の川はよく氾濫していました。 しかし、氾濫により鳥海山から運ばれてきたブナ林の養分を含む豊かな土壌が堆積し、梨栽培に適した刈屋の土壌が出来上がったのです。「刈屋梨」は、日本海と雄大な鳥海山の 自然がもたらす肥沃な土地によって生み出された、サクサク感と口の中に残るクセの無い甘みが魅力の気品あふれる梨として有名です。
肥沃すぎる土壌に適した梨栽培
当地区では、昔は梨に限らず様々な果物を作っていたようです。しかし、土壌が肥沃すぎて果実が腐ってしまうほどであったことから、試行錯誤した結果、この土地に梨が
向いていることがわかり、栽培が普及していきました。
また、刈屋地区には朝霧が無く、日照時間も安定しているという特徴があり、網を掛けずに栽培することができるため、梨の味に差が出るという恵まれた条件もあります。
手間暇かけた栽培方法
刈屋地区の主力品種は「幸水」で全生産量の6から7割を占め、その次が「豊水」となっています。目標糖度は13度に設定されていて、この糖度などの数値は他産地の梨と
比べて特に高いというわけではありませんが、サクサク感と口の中に残るクセの無い甘味が刈屋梨の最大の特徴です。
土作りから農薬の削減など、安全安心で高品質な梨づくりを目指しています。特に花粉交配(受粉)作業は、ねらい通りに授粉するため、綿棒を使い、手作業で行っています。
1つの枝に6から8つ咲いた花の中から、良い位置に咲いている花を受粉させないとその後の梨の大きさや格好も変わってくるため、なかなか手のかかる仕事です。
「刈屋梨」ブランド化の軌跡
刈屋梨は、地域の名産品のブランド化を推し進めるねらいから、平成19年に地域団体商標を取得しました。
しかし、梨の知名度が上がっていく一方で、主力の生産者が60歳代となり、将来的な担い手の確保等が課題となってきました。こうした中、平成27年に30代を中心とした6名による
新たな担い手組織「刈屋梨園の会」が発足しました。「自由で幅広い活動がしたい」というメンバーの意向から、出荷組合の下部組織ではなく単独組織として活動しています。
園地を巡回しながら、大玉生産に向けた管理や病害虫対策技術の勉強を通して、梨作りへの意識を高めています。
また、近年は世界にも目を向け、農産物の輸出拡大を目指すJA全農山形など関係機関の協力を得て、初めて香港に輸出しました。香港では、日系の高級百貨店や量販店で中秋節の
ギフト向けに販売され、国内よりも高値で取引されたことから、今後香港や台湾向けの輸出を、さらに将来的には、マレーシアやタイなど東南アジア方面にも拡大していきたいと
意欲満々です。
梨の季節には県内外から多くの人々が訪れます
出荷時期は8月中旬から9月中旬と一般的な産地より早くなっています。東北、関東、北陸など各地に出荷していますが、この季節には生産者が直売所を出店するため、直接梨を 買い求めに来る県内・県外ナンバーの車が多く見られるようになりました。また、農場によっては梨の収穫体験や食べ比べが出来るところもあります。現地に来ることができない方は、 JA庄内みどり「みどり販売課」に直接お問合せください。また、収穫シーズンには、「JA産直いちばあんべみれ」からのネット購入も便利です。
 
文章引用:2017年2月発行 東北経済産業局知的財産室編「きらり!TOHOKU 地域ブランドコレクション」