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【青森県】嶽きみ(だけきみ)

【青森県】嶽きみ

「嶽きみ」は、岩木山麓で栽培されている「日本一甘いとうもろこし」として全国的に有名です。

登録情報

嶽きみ 商標登録第5042511号

権利者

つがる弘前農業協同組合

商品の区分並びに指定商品

第31類:青森県嶽地区で生産されたとうもろこし

出願日

2006年7月25日

登録日

2007年4月20日

連絡先

つがる弘前農業協同組合

住所:弘前市大字城東北4丁目1-1

電話:0172-28-1111

つがる弘前農業協同組合ホームページ

商品の紹介

「きみ」は津軽弁でとうもろこし

「きみ」とは津軽弁でとうもろこしのこと。弘前市西部にある岩木山の嶽地区(標高400から500メートル)で栽培・収穫されたとうもろこしのことを 総称して言います。糖度がメロンより甘い18度から20度もあり、生でも食べられるほどです。

樺太からの引揚者が始めたとうもろこし栽培

嶽地区でとうもろこし栽培が始まったのは、戦後のこと。樺太からの引揚者の開拓団16戸が昭和30年に弘前の種苗屋からアメリカのとうもろこしの品種を 紹介されて植えたのがきっかけでした。
最初のうちは地域で栽培するも生産量が少なく、個々の仲買人に頼る小さな販路しかありませんでしたが、次第に栽培面積も増え、昭和57年から農協が取扱いを始めた こともあり、今では、青森県の代表的な特産物のひとつへと成長しました。

温度差が生み出す糖度のマジック

嶽きみがとても甘い理由は、夏の気温差にあります。お盆が過ぎた頃から、岩木山麓にある主産地は日中と夜間の温度差が10度以上に広がります。昼間、光合成で たっぷりと蓄えた栄養は、夜の温度低下で活動が抑えられ、糖度が上がる仕組みなのです。
嶽きみは、8月のお盆頃から10月上旬頃まで収穫されますが、とうもろこしは収穫後、鮮度が落ちるスピードが速いので、日の出前の涼しい時間に収穫して鮮度を 維持しています。この時期になるとその新鮮な嶽きみを求めてJA直売所に車の列ができるのもうなずけます。

「嶽きみ」ブランド化への軌跡

当初、嶽きみは、岩木山に来る行楽客に評判で、観光と結びついた名物でした。その後、とうもろこし部会(現:嶽きみ部会)が結成され、販路も首都圏へ 広がっていきました。しかし、知名度が上がるにつれて、嶽きみをかたったニセモノが販売されたり、一部の心ない生産者が品質管理出来ていない物を出荷したことで、 消費者から厳しい批判を受けたことがありました。この対策として農協では、抜き取り検査などを実施し、生産者を指導しています。また、地域団体商標の登録(平成19年)によって、 ブランドに対する生産者の意識も醸成され、知名度、販売額ともに上昇しています。
嶽きみは、収穫時期が短く、鮮度低下が速いという欠点がありますが、いまでは、甘い香りや香ばしさをいかした加工品も増え、ふんわりとした食感が特徴の「嶽きみふっくら蒸しパン」や、 ホクホク感と嶽きみの甘さが特徴の「嶽きみたっぷりコロッケ」などが農協直売所で提供されています。

新鮮な「嶽きみ」を是非現地で

「嶽きみ」は収穫時期が短いため、採れたての新鮮なものを食べるには、やはり現地が一番です。シーズンになると、岩木山へと続く百沢地区から嶽地区・湯段地区の 道路沿いに「きみ」を販売する露天が並びます。
地元のJA直売所「四季彩館」では取れたての「嶽きみ」を購入でき、全国へ発送も承っています。また、JA直売所や県内の物産店では、真空パックされた加熱調理済みの「嶽きみ 真空パック」が通年販売されており、暖めるだけで、いつでも手軽に味わうことができます。

農産物直売所「四季彩館」(つがる弘前農業協同組合ホームページ)

 

文章引用:2017年2月発行 東北経済産業局知的財産室編「きらり!TOHOKU 地域ブランドコレクション」