【青森県】十和田湖ひめます

「魚が棲まない湖」で養殖に成功したひめますで、刺身で食べられるほど安全です。
登録情報
十和田湖ひめます 商標登録第5731465号
権利者
十和田湖増殖漁業協同組合
商品の区分並びに指定商品
29類:十和田湖産のひめます
出願日
2013年8月30日
登録日
2015年1月9日
連絡先
十和田湖増殖漁業協同組合
住所:十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486番地
電話:0176-75-2612
商品の紹介
魚が棲まない湖での養殖
青森県と秋田県にまたがる十和田湖は、標高約400メートル、周囲約46キロメートル、最大震度326.8メートルという日本で唯一の二重カルデラ湖です。「魚が棲まない湖」と言われた 十和田湖で苦節22年、ヒメマスの養殖に夢と情熱をかけた和井内貞行のサクセス・ストーリーによって生まれたブランド品です。貞行の業績は和井内神社として貞行を支えた妻とともに祀られ、 今でもたたえられています。
マスの養殖に人生をささげた男
十和田湖ひめますを語るには、和井内貞行の功績無くしては語れません。安政5年、盛岡藩の重臣だった和井内家に生まれた貞行は、27歳の時に鉱山会社に勤務しながら、鉱山で働く人たちへの 食糧供給を目指して魚の養殖に取り組み始めました。明治30年、彼が40歳の時に鉱山の休山を期に会社を退職。自ら十和田湖畔に旅館を経営しながら、私財を投じて養殖事業を開始します。 もともと「魚が棲まない湖」と言われていた十和田湖でしたが、試行錯誤を繰り返しました。そんなある時、青森県水産試験場から北海道支笏湖の回帰性のマスのを聞いたことをヒントに、 マスの卵を購入、ふ化させた稚魚3万匹を放流しました。その結果、マスは3年後に群れを成して放流地点に戻ってきました。
冷凍せずに刺身で食べられる安全性
十和田湖ひめますは、もともと紅サケが湖で暮らすうちに海に戻れなくなった「陸封型」のサケ科の淡水魚です。「姫鱒」と命名されるだけあり、その姿もきれいですが、十和田湖の冷たくて きれいな水で育つため、身が引き締まり、臭みがありません。また、淡水魚でありながら脂がのり、上品な食味を持つのが特徴です。海で捕れる鮭鱒とは異なり、当地で捕れるヒメマスには 寄生虫は存在せず、冷凍することなく刺身で食べることができます。さらに、アスタキサンチンやアンセリンといった身体を元気にしてくれる成分も豊富ということで注目されています。
「十和田湖ひめます」ブランド化の軌跡
十和田湖増殖漁業協同組合では、昭和27年からヒメマスのふ化事業に取り組み、資源保護の観点と漁獲量安定のため、漁の期間を限定しています。
そして、和井内貞行の功績を受け継ぎ、ヒメマスを地域の宝として守り、十和田湖観光の再生を図るため、平成27年に地域団体商標の登録を受けました。これにより、漁協、地元関係事業者及び行政が
連携して、十和田湖ひめますの高付加価値化を図る機運が高まりました。商標登録後は、ロコマークの制定、地域団体商標管理規定や商標適正使用ガイドラインの作成などを整備し、PR強化とブランド化に
取り組んでいます。
平成28年10月には、関係者により構成された十和田湖ひめますブランド推進協議会(事務局・十和田市とわだ産品販売戦略課、小坂町観光産業課が、十和田市と秋田小坂町で良質な十和田湖ひまます
料理を提供する店舗を「十和田湖ひめます認証店」として決定しました。また、各認証店が磨きをかけた十和田湖ひめます料理を提供する「十和田湖ひめます味紀行」が開催され、多くの人が
十和田湖ひめますの美味を堪能しました(平成30年10月終了)。
料理のバラエティに富んだ「十和田湖ひめます」
十和田湖ひめますは、十和田湖の食堂や旅館・民宿等で、刺身、塩焼き、甘露煮、フライ、づけなどで食べることができます。通常、漁獲されたものは、十和田湖畔にある3地区の集荷場に早朝に 集められ、十和田湖郵便局の隣にある十和田湖ひめます販売所で8時頃から鮮魚として販売されます(販売期間は4月下旬頃から11月上旬頃まで。土日祝日でも漁獲があれば販売)。また、十和田湖 増殖漁業協同組合では通信販売も行っており、禁漁期間中も十和田湖ひめます(冷凍)を販売しています。
 
文章引用:2017年2月発行 東北経済産業局知的財産室編「きらり!TOHOKU 地域ブランドコレクション」